首輪
ここよりひどい残虐場面となります。動物、人に対する暴力行為、流血、残酷な表現おおし。
くれぐれもご注意ください。
「―――ようやく、きたか」
真っ暗な闇に、男の顔が浮かんでいる。
やはりあの、カイと名乗った男だ。
「リンは?リンはどこだ?」
浮かんだ顔が、嫌な笑いにゆがむ。
むこうも同じような灯を持ち、照らされた表情が揺れ、さらに、奇妙に歪んで見えた。
「 『リン』?それは、この、汚い犬のことか? 」
男の後ろの闇で、いくつかの笑いがもれると、それが、床に投げ捨てられた。
「!?っリン!!」
落ちたとき、弱く甲高い声を出した茶色いかたまりを守るべく、シュンカは床に身を投げ出して這い寄り、それに腕を伸ばす。
手が届き、抱き寄せたその手ごたえに、血が引くようだった。
リンは、ぐんにゃりと重く、茶色い毛はどこも、黒くぬれている。
シュンカの震える手から落ちた蜀台は、からからと音をたて、向こうへ転がり、ぼんやりと、闇から抜きでたカイが、それを拾った。
「ふん。 なにやら『術』のこもった首輪などさせて。少し手間取ったがな。 おれには、そんなもの効かぬぞ」
セリが作ってくれた赤いそれが、ほうり投げられた。
シュンカはそれに眼もくれず、ただ抱きしめ名を呼び続ける。
りん、りん、どうしよう、りん、どうすれば、りん、りん
ふさがったはずの首の傷が、開いていた。
―― いや、違う
同じ場所を、傷つけられたのだ。
血が、ぼんやりとした明かりに、ぬめって光る。
それがまだ、 ―― 止まらない。
申し訳ございません。まだ場面つづきます




