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成長
こうして、サモンとヒョウセツは山崩れの場へと、人の命を救いへ。
セリは仲の良い黒鹿が住まう、黒森の火をとめに。
スザクは人の弔い。
セイテツは赤子と母親をたすけに出た。
「シュンカ、ヒョウセツが言ったとおり、なにかあったらすぐに来いよ?」
コウセンは子どもの頭を撫でると、足をはやめてシャムショへ向かう。
見送りながら、シュンカはアシの名をよんで振り返った。
「――カエデさんのところに行ってくる。参の宮の中も見てくるから、アシは他の宮に、水が張ったものがないかと、窓が閉まっているか、見てきてくれる?」
引き締まった子どもの顔を見て、役神は黙ってうなずく。
この子どもの成長が、楽しみだと思う。
いつまで、こうして側にいられるだろう。
―― 怖くて、セイテツには聞けずにいる。




