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おとぎばなし ― ゆらぐ噺 ―  作者: ぽすしち
 みっつ と 半

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22/53

たとえ


 湯気とともにのぼる、良い香りが、己のむさくるしい顔をくすぐり、思わず男は笑った。

「―そういう、もんか?」


「ええ。―― そういえばこのお茶を、差し上げましょう。この前、セリ殿と作った、花の香りがするお茶です。コウセン殿からシュンカに渡せば喜ぶだろうと」


「だがな、おれがそれを、おまえにもらったと言えば、あの子は礼を言いに、ここへ来るぞ」


「―― それは、遠慮願いたい。ぼくは、あの子とかかわりあいたくないので」


「ほう、そうか」

 ずずううっと茶をすすったコウセンは、肘をついて小鳥を呼んだ。


 きいてもいないのに、ヒョウセツは続けた。

「――ぼくは、静かな今の環境が好きです。あなたたちは、あの子のゴウと、すでに絡んでしまっている。・・・皆、感じてはいるはずだ。あの子が出入りすれば、宮の『気』まで乱れて動く。まるで、《ゆさぶられて》いるようだ。 伍の宮の『気』の動きなど、とくにひどい。・・・あんなにうるさい環境、・・・ぼくは耐えられません」




      ちちちちち


 コウセンの指先から小鳥が飛び立つ。



「――なあ、ヒョウセツよ。おまえ、頭がいいのに、時々、スザクより馬鹿だなあ」


「・・・その例え、傷つくなあ・・」

 



 小鳥は弐の宮の周りを数度とび、どこかへと去った。

 

 

 

 

 

 

 

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