表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おとぎばなし ― ゆらぐ噺 ―  作者: ぽすしち
 みっつ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/53

とりいった

 

 周りの空気が元に戻ったのを感じたシュンカは、お忙しいところ失礼いたしました、と慌てて礼をする。

 いや、おれは忙しくねえからよ、と緩く手を振るコウセンも、実は後ろのほうで様子をうかがっていたアキラにすぐ、袖を引かれて戻っていった。

 

 自分も、セイテツに頼まれて出てきたが、今日はスザクに部屋の片づけを頼まれているのを思い出し、宮へむかう足をはやめたとき、その声に呼び止められたのだ。






  

    ―――――――― ※※ ――――――――



 


  おい、と建物の脇から呼び止めたのは、見覚えのない若い男だった。



 


 勢いよく茂る葉をきれいに整えられた樹木から現れた相手と目が合い、シュンカは首の後ろが逆立つような寒気に襲われる。

 

 シャムショにいる、アキラよりも若い男たちは、シャムショの中ではなく、下界や、シャムショ奥の間で働くことが多く、シュンカには、それが誰だかわからない。

 だが、相手はこちらを知るようで、「―おまえ、スザク様に、どうやって取り入った?」と怒りを含む声を出した。


「『とりいる』?って・・?」

「下界の人間のくせに、天宮で大臣方に、父親を弔わせたそうだな」


「そ、それは、ご好意で」

「そうだ。たまたまスザク様に死にかけの父親と拾われたくせに、それに紛れて宮に居座れるように、何かしたのだろう?」


「ま、紛れたわけではなく、・・・ですが、・・ミカドに・・」



「帝にだって!?」

 そのとき、男の後ろの茂みから、さらに数人の驚く若い顔が突き出された。


「・・・スザク様の許しではなく、帝の許しを請うたのか?」


「――――」実際には、そういうことになるとシュンカは思っているので、うなずいた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ