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おとぎばなし ― ゆらぐ噺 ―  作者: ぽすしち
 ふたつ

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10/53

吉となるか 凶となるか


「コウセンは、語らぬ男よ」

「『力』も、みせたくないのだろう」


 阿吽のいうように、今回の『ハンゴン』も、「帰って、他の皆に言うなよ」と、軽く口止めもされている。


 チョクシでさえ、コウセンの力を目の当たりにするのは、数度しかない。

「この天宮には、シュンカの遊び相手となるような子どもがいないのを、気にされているのでしょう。だから、連れ帰りたいとおっしゃった」生き返らせたのは、言えないけれど、と。



「――吉となるか、凶となるか、わからんな」

「ああ。ヒョウセツが、われらに役神をよこした」



 顔をしかめる阿吽に、チョクシとアキラは顔を合わせる。

 弐の宮の大臣は、よほどのことがなければ、動かないと聞いていた。



「犬を、われらに確かめろ、と」


「リンを?まさか、なにか、おかしな病でも?」


「いや。それならコウセンが先に気付くだろう。それに、―」

 今はすっかり阿吽に気を許している子犬の身体を、かかげて見る。


「―― セリの首輪が《守り》になっているからな。よほどのことがないかぎりは」

「《術》で利用されることもなかろう。だが、用心せねば」


「この犬に何かが起これば、悲しむのは」

「シュンカだ」



 ヒョウセツがわれらを寄越したことは、コウセンには言うなと子犬を抱えた阿吽は立ち上がり、不安な顔色の二人を残して去って行った。






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