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81. ケップラー王国のオトイレはすごい!

 上、中、下のポーションを渡してから、二人の対応がすごく変わった?


 テトリはもう、ソファでくつろいでいる……

 わたしは二人が持ってくるモノの説明を聞いて、マジックバックに入れるだけ……


 最新の洗濯袋も、もらえた。


 うれしかったのは、採取用のスティックをもらったときかな。

 ベストのポケットに入る十センチほどの棒なのに伸びて採取ができ、木の実が一本分くらいなら軽く中で貯めれる機能付き。

 高いところも棒が伸び、チョンっと触るだけで良いそうだ。

 剣ぐらいなら撃ち合いしても問題ないという。


 これは、いい!

 

 旅行用品や雑貨のお店だから冒険者の服もいろいろ渡してくれる。


 とりわけ驚いたのが、フード付きの服。

 そのまま海の中に入れる優れモノ。

 フードをかぶれば水中で息も一日くらいは大丈夫。

 陸に半日いれば、何度でもまた潜れるようになる。

 安全再生機能付きだ。


 この国の人は海の中まで旅行にいくのか……


「そうだ、パールちゃん。外に出ていることが多いのなら、オトイレは持っているのかな?」


「オトイレ?」


「おまえ、オトイレを知らないのか? いままでどこで、していたんだ? 外か?」


「なっ、なにを言ってるのよー!? テトリっ! トっ、トイレのことね? 冒険中は仕方ないけど、普段はちゃんとトイレでしてるに決まってるでしょう!!」


「冒険中は、外なんだ……」


 えっ、違うの?? 

 これも、恥ずかしいことなの?!

 アロさんをみる……アレっ?

 優しく微笑んで……


 アロさんがおとなの手の中に収まるぐらいの大きさのリングを持ってきた。

 そのリングを一度、ギュッとにぎり潰す。

 うわっ!?

 半径二十センチぐらいの、大きなリングになる。

 それを地面に置いて、わたしを呼んだ。


「パールちゃん。このリングの中に片足でいいから、入れてごらん。怖くないからね」


 みんなに見守られて、片足を入れると……

 うそ?! 

 これはもしかしてトイレ!?

 驚いて片足を上げると、トイレが消えた……


 すごい!!


「この『リングオトーレ』という商品は、リングの中に片足でも腕でもいいから、からだの一部を入れると、オトイレが現れるんだよ。 中に入ったら、もうなにもわからなくなるから安心だし、もちろん音や匂いもキッチリ遮断する。中の使い方を説明するね」


 うわーっ! もう、すごすぎる〜!!


 中からだと普通に人が見えているから、平気で人の隣に座って用を足してるように思ってしまうけど……

 へぇ〜

 まわりの景色を消すこともできるんだ……

 ちょっと安心。

 でもこれでは外にいる人が、オトイレにぶつからないのかな?

 気になって聞くと、大丈夫らしい。


「おい、パール。そんなの、通り過ぎてしまうだけに決まっているだろ? おまえ、本気で聞いているのか?」


 呆れたようにテトリが答えていた。

 当たり前のことだったようだ……


「使ったあとは、オトイレの中にあるレバーを引くとおしりをキレイにして、便器の中のモノを小さな玉にするんだよ。その玉を捨てる方法は二つ。外にオトイレを設置した場合や近くに地面があるときは、地中一メートル下に玉が移動する。自然に返すんだね。もう一つの方法は、異空間に捨てるのさ」

 

「それは知らなかった。面倒だな。 捨てる方法が二つあるなんてさ、もう異空間だけでよくないか?」


 さすが、テトリ! 


「そう思うけど、できるだけ自然に返すことが大切だと、先人の教えだよ」


「ふぅん〜、そういうものなのか……」


 なるほどねー、自然は大切だよね!


「これは壁でもどこでも付くから、このリングの大きさの場所があれば大丈夫。壁のときは片腕を入れるんだよ。壊れにくいしカギも勝手にかかる。外に出るときは、中の取手を引けばいい。これは三人までしか一緒に入れないから、気をつけてね」


 オトイレは、ひとりで入らないの……か?


 疑問が顔に出ていたのようで。


「は、はっ、そうだね。 パールちゃんには、まだちょっと早いけど。 子どもができたら小さいうちは、一緒に入るんだよ。 ひとりにはできないからね!」


 そうか! そうだよ、安全大事!


「これは、すごい!!」


 わたしの国にオトイレがないのならっと、豪華なお風呂付きのオトイレと普通のオトイレ。

 それから、ちょっとだけ豪華なオトイレを三種もらった。


「パールちゃん。 このオトイレを人に使わせるときは、かならず普通のオトイレにするように。そして他のモノは、隠しておきなさい。いいね」


 マプさんが、忠告してくれる。


「すごく便利なぜったい必要なモノだから、欲しがる人がかならずでてくる。 だからひとつしか持ってないことにして、めんどくさくても一回ずつ貸すんだよ。それに、このオトイレは登録できる。 豪華なお風呂付きのオトイレは、非難用にもなるが最大十人、七日までしか中に入っていられないから、しっかり覚えておきなさい。わかったね」


 そういう使い方もあるんだ……

 旅行先では危険もあるのかな?

 それにしても、ケップラー王国のオトイレはホントにすごい!


 マプさん親子でアレコレ相談し、息子のアロさんが足を少し引きずって、二階からいろいろ持ってきてくれる……


 そのあいだにテトリがマプさんに三本のポーションの使い道を聞いていた。


 そう、気になっていたんだよ!


 一年ほど前、息子のアロさん家族三人が乗り物事故にあったそうだ。

 命は助かったけど、孫のスピノさんが足を挟まれ不自由になってしまう。

 そのときアロさんも怪我をして、奥さんのアクロさんは娘のスピノさんをかばって、顔に傷跡が残ったみたいだった。


 もともと再生能力が高い竜人族は、ポーションを作ることにたけてない。

 迷い人のポーションは再生能力の高い竜人族からすると、下級でも人族の上級と同等になるらしいが、なかなか手に入らない幻のポーションなんだって。


 よかった、持っていて。

 

 だれに何を使うのかは、家族の『もしも話』で、すでに決めていたようで……

 上級で娘さん、中級で奥さん? 下級でアロさんを治すそうだ。


 下級で、アロさんの足が治るのかな?

 話を聞いていたテトリが、マプさんに聞く。


「奥さんの怪我が傷痕だけなら、アロさんの足に中級ポーションが良くないか?」


 ナイスな意見だ! テトリくん!


 わたしもマプさんを見て、ウンウンうなずいておく。


「やっぱり、そう思うか……わたしもそう思うんだが……女の傷痕はつらいそうだ……アロがな、そう言って譲らない……」


「魔法のヒールでは、治らないのですか?」


 おもわず、気になって聞いてみる。


「再生能力がもともと高い竜人には、ヒールが使える者はそういない。いても、擦り傷ぐらいしか無理だろうな……もしいたら、王様が囲ってしまう……」


 なるほど……

 ブロンさんが虫刺されによく効く軟膏をすごく喜んだのが、理解できた。


「ここまで孫のスピノが良くなったのも、わたしの魔力を分けたからだ……」


「魔力を分けることって、できたのか?!」


「血の繋がった者ならできる。分けた者の魔力がもとに戻るには、四百年かかると言われているから七百歳のわたしは、もうこのままだろう。それで孫のスピノが助かったのなら、やすいものだ」


 七百歳! 何気にすごい。

 魔力を渡すと疲れやすくなり、力も半分くらいになるらしい……


 話の途中でアロさんが戻ってくる。

 聞こえていたのか、辛そう……


 んっ、魔力? 

 それなら!


「あの〜ぅ……魔力ポーションもあるんですけど、いりますか?」



「「「 えーーっ?!」」」




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