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37. 五歳になった

 ルート様とアース様が王都の学校に旅立って、しばらくしてからわたしは五歳になった。


 今年もシーナは薄い緑色のワンピースを作って、プレゼントしてくれたよ。

 そのワンピースを着て、誕生日恒例のお披露目会を厨房でトムさんと一緒に開催? する。

 もうなんのお披露目なんだか、最後のほうはわからないけど、それはそれで楽しかった……と思う。


 厨房の人たちとはあのスープ以来すごく打ち解けていて、ここも居心地がいい。


 あと一年とちょっとでわたしも旅立つから、そのとき厨房の人たちにもなにか渡したいと思っている。

 これから少しずつ調べて、なにをプレゼントすれば良いのか決めていかないといけない。


 それにマークのことも、心配。

 みんなにマークのことを頼んでおかなきゃ。

 これからの一年間は、いろいろと忙しそうだ。



 待ってましたよ!

 五歳になってレベルがやっと、30になった。


「えっ、すごい! 検索が10キロメートルに上がってる!?」


 レベル29の時は、1900メートルだったのに……

 レベル20台と30台は、レベル10台から20台になったときのようにすごく違う。

 いや、それ以上かも!


 うん、うん。

 これから他の魔法を使うのが楽しみだな。

 部屋で一人。

 ほくそ笑んで、寝た。



 朝から身体強化をかけて湖に向かう。

 なんだかいつもより体が軽く感じて、早く湖に着いたような気がするけど、時計がないからわからないな。

 朝の光を浴びた湖がキラキラ輝き、今日もわたしを待っていてくれる。

 見る角度によって、エメラルドグリーンからブルーに輝く神秘的で美しい色彩に心打たれ、わたしのやる気がグンと増す。

 さぁ、今日も頑張るぞ!


 まず火の玉ミニを、練習用に立て掛けている木に向けて打ってみた。


 ヒュンッ スパーン!


「すごい、いつもより小さい玉がスッと出てきて飛んでいった。威力も上がってる? チェリー聞いてる!?」


「はい。レベル30になったので今までよりは楽に小さく、そして速くできると思います」


「どこまで小さくできるの?」


「はい。それはパールの想像力によるので、一概には言えません」


「やっぱり練習なんだね」


 火の玉ミニだけじゃなく、水玉ミニも作って木に飛ばし威力を確認してみる。

 なるほど……まずまずだな。


 ふっと、思いつきで氷の玉ミニも作ってみた。


「できた! うそっ、浮かんでる!」


 空中にフワフワ浮いているので、手の平に乗せてみた。


「つめたい……」

 

 今まで自由に形が作れなかった氷の魔法で、小玉を作ることができたよ。

 しかも、浮いてる!


 小指の先ほどの大きさか……

 この氷の玉に関してはもっと大きな氷の玉が、サッとでるほうがよいのかな?


 氷は武器として使い勝手がよさそうだから、いろんなバリエーションを練習しないとね。


 今までできなかったことが、急にできるようになりうれしくなる。


「チェリー、今日は氷を中心に練習だ!」


「はい。他も練習してください」


「……はい」


 残念、チェリー先生は意外と厳しい。


 だったら、次は風の魔法かな?

 落ちていた鳥の羽を風に乗せて浮かせ、立て掛けていた木まで飛ばしてみる。


 シューッ スポッ!


 えっ!? これはいける?  

 立て掛けていた木に、鳥の羽が刺さった。

 もしかして武器になる?

 これはちょっと、すごいかも?

 じゃあ、小石は浮かせられるのかな?

 近くにある小石を見つめて……


 フゥヮ〜 浮いた!?


 そのままこっちへ……ダメーっ! 木へ! 木に飛んでけー!!


 ビュッ バシッ! コロン


 あぶなかったー! 

 どうなるかわからないのに、小石をこっちに呼ぶのは危険ね……

 ハーッ、疲れたよ! もーぉ、帰ろ。


  ♢ 


 お昼ご飯をマークと一緒に従業員食堂で食べているとシーナがきて、細かい食事のマナーチェックが入る。


「だいぶ上手になったわね。あとこれを六歳になるまで一年続けたら、もうそこらへんのお貴族様となら同じテーブルについても大丈夫になるわよ」


「そうかなぁ? ありがとね、シーナ」


「いつもすまないな、またオレンジでも買ってくるよ」


「あら、そんなのいいわよ。お父さんがいるから大丈夫、食べるものには事足りているの。それよりもパールの買い物、そろそろ始めるでしょ? 女の子だから、わたしがいたほうが良いこともあると思うのよ。そういうところには、わたしもついていくから教えてね」


「あー、助かるよ」


 冒険者の準備が始まるのか……

 買い物はちょっと、ワクワクするな。

 食堂にいた人たちにも話が聞こえていたようで。

 とうとうかっとか、いっぱい買ってもらえよっとか、まわりから聞こえてきて、少し心がキュッとする。


 マークがまたわたしの頭を撫でて、軽くうなずく。

 横を向くとシーナもなんだか微笑んでいて、よけいに心がゆらされる。

 でも、そんなそぶりは見せずに、いつものわたしで答えておく。


「そーだよねー! いっぱいマークに、買ってもーらお!」


「……いいぞ。なんでも好きなだけ買ってやるから、全部いえよ」


「……うん」


 あーっやっぱり、優しいマークにはかなわない。

 なんだか切なくなって、マークの顔が見れないや……


 マークから目をそらして横をむく。

 優しいシーナもマークをみていた。


 わたしと同じ……


 切なそうに……熱い視線を……うんっ? ?

 あつい? ……視線……?



 あれっ? えっ ホントに?! 


 いつからなの? 知らなかった!!


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