15. 魔法そのニ
周りに誰もいないことをチェリーによって確認する。
次は、火魔法だ。
これはちょっと危険なのでチェリーにアドバイスを頼む。
まずはお決まりの、火の玉を試すことにした。
声をだしてイメージを固めてみようかな。
火の玉だし……
「ファイアーボール小!」
今回は短く名称だけ唱えてみる。
魔法の発動はバッチリ!
近くにあった岩山にビューンっと、火の玉が飛んでいきぶつかった。
火花と爆破音が…… すごい……
ぶつかった所が黒く変色していた。
「こっわーい! これは無理! 危険!」
チェリーに恐怖を訴えたけど……
「はい。 今のファイアーボール小では、強い魔物は倒せません。 次はもう少し大きい火の玉をイメージして、打ってください!」
なんと!? これではダメなのか。
わたしの拳二つ分ぐらいの火の玉だったのに……
これが、小さいのか?
魔物こわすぎる……
チェリーも厳しい……
深く考えてなかった魔物というモノと、冒険者をするということに身の毛がよだつ。
でもチェリー …… 先生…… のいうとおりに、次は火の玉がわたしの顔ぐらいの大きさをイメージして唱える。
「ファイアーボール小!」
魔法の発動はすんなりできるようになってるけど……
今度も火の玉を岩山に向かって飛ばしたら、岩山の一部がすごい音で吹っ飛んでなくなった。
砕け散った様子に背筋が寒くなる。
チェリー先生は満足そうに、最低でもこれを火の玉小で固定するように勧めてくる。
怖々チェリー先生のいうとおりにした。
なんだか逆らえる感じじゃない……
これから火の玉ファイアーボール小は、わたしの顔の大きさに決定!
これ以上怖くてファイアーボール中玉は、練習を延期した。
こんなことで冒険者になれるのだろうか……
不安しかない。
光に水に火に検索。
あとはどんな魔法があるのか?
チェリー先生に聞いてみた。
まだ色々な魔法があるみたいだけど、まずは身体強化で毎日を過ごすように勧められる。
チェリー先生いわく、今のわたしは軟弱すぎるらしい。
これから外で練習するときは身体強化を使って、すぐ体が危険に反応できるように、毎日走ったりジャンプ? して過ごすことを推奨される。
走って、ジャンプ……
次の日マークに頼んで、男の子のズボンを用意してもらう。
これからしばらくは馬小屋から草原に向かって走り、おとなの足でも 一時間はかかる湖まで行動範囲を広げることになった。
それからお屋敷の人にはナイショで、マークに乗馬を教えてもらう。
時とともに魔法のレベルもどんどん上がっていき、ちょっとした発見もあった。
レベルの違いを見定めるのは、検索の魔法が分かりやすいと気が付いたこと。
レベル3で、周囲30メートルの検索。
レベル4で、40メートル。
レベル5で、50メートルに検索範囲がレベルアップしたので確認しやすい。
魔法にも馬にも慣れた頃、四歳になっていた。
今回もシーナは、若草色のステキなワンピースを縫ってくれたけど……
大人の思考が邪魔をして、ワンピースのお披露目は恥ずかしい。
急にやめるとへんに思われるので、お屋敷中のお披露目は中止して、厨房だけにしておいた。
また料理長のトムさんが娘のシーナのことを、ワンピースと一緒に褒めまくっている。
プップッ!
安定の親バカ披露だ。
四歳になって、レベルが20台に上がる。
マークには伝えておいた。
一年間どんなに頑張っても20台にはなれなかったから、もしかしたら年齢が関係しているのかもしれない。
そうだとしたら、五歳でレベル30台。
六歳でレベル40台。
年齢が上がらないと、なれないことになるのだけど……
チェリー先生に聞いてみようか?
ひょっとして、冒険者になってからじゃないと本来のレベル50には、なれないのかも?
そう思うとやっぱり、世の中そんなにあまくないなぁと思ってしまう。
いや…… わたしには……
充分 あまいかな?




