君は僕を信じていない！ 大丈夫、僕は君を心から愛している！
僕の彼女は、不安症なのか？
毎日のように、僕に必ず聞くんだ！
『ねえねえ？ 悟は私の事が好き？』
『もちろん好きだよ。』
『じゃあ“私のどこが好き？”』
『笑った顔が好きかな。』
『他には？』
『気が利くところ。』
『他は？』
『料理も上手いよね！』
『もっと言って！』
『一緒にこれからも居ようね！』
『うん。』
・・・こんな事を１時間おきに彼女が僕に聞いてきたりする。
ちゃんと好きだって、彼女に伝えているのに。
彼女はそれでも、僕に何度も聞いてくるんだ。
そんなに、“僕が彼女を好きかどうかが”不安なモノなのかな。
僕の気持ちは、他の女性にないのにね！
ずっと変わらず、僕は彼女を見ているのに彼女はそんな僕を信じ
られないのか？ 何度も何度も僕に“好き”かどうか聞いてくる。
僕の気持ちを受け止められていないのは彼女なのにね。
彼女は、その事に全く気づいていない。
＊
・・・ある日、僕と彼女は二人でショッピングしていたら？
彼女の“元カレ”という男とやらと会った。
彼女も、その男と別れて以来会っていなかったらしい。
気安く彼氏がいる元カノに話しかけてくる男なんて信用できない！
『あぁ！ ヒナじゃないか？ 随分と綺麗になってんじゃん！
隣の男性は、ヒナの今彼？』
『・・・ううん、随分と会ってなかったから、ビックリしたよ。』
『俺も！ ヒナの携帯番号が変わってないなら、今度、連絡していいかな？
“彼氏くんもそのぐらいで怒らないよね。”』
『・・・えぇ！？ あぁ、まあ、それは、』
『じゃあ、また日を改めて連絡するからさ！』
『えぇ！？』
『またな！』
『・・・あぁ、ううん、』
なんだか嫌な予感しかない。
彼女の【元カレ】は自分勝手で傲慢な男だった。
彼氏である僕の前で、彼女に連絡してもいいだろうと無理矢理許可を取る
ところなんか、僕はあの男が直ぐに嫌いになったんだ！
・・・でも？ 彼女はどうするのだろう？
やっぱり、元彼から連絡がきたら会いに行くのかな？
僕の方がなんだか不安になってきた。
僕は敢えて、彼女には元カレから連絡がきてもどうするかは？
君次第だよと答えた。
僕は彼女を信じることにしたんだ。
不安だが、彼女を信じるしかないと決めた。
＊
・・・数日後。
あの軽い彼女の元彼から彼女に連絡があったらしい。
僕は、その事を彼女の口から聞く事ととなった。
『ねえ、悟？ 昨日ね、“元カレ”から連絡があったの。』
『・・・えぇ！？ ううん、ヒナはどうしたいの？』
『彼が私と会いたいって言ってきてね...。』
『・・・ううん。』
『もちろん会わないよ！ 断ったから。』
『そう！』
『うん！』
『そっか。』
『何、“安心した顔してんのよ！”』
『・・・えぇ！？ そんな顔してた？』
『うん、してたよ。』
『バレてたか、恥ずかしいな。』
『そういうところも悟の事、好きなところだよ。』
『照れるじゃん！』
『バーカ！』
“君は僕を信じていない！ 大丈夫、僕は君を心から愛している！”
ずっと僕は彼女に対して、こう想っていたのに...。
本当は、僕の方が彼女を心配していたのかもしれない。
正直、夜も眠れないぐら気になっていた。
彼女が元カレとヨリを戻す事なんかあれば、、、？
僕はどうしたいいんだろうとかね。
でも、彼女は僕が思っている以上にしっかりしている！
僕の事をちゃんと考えてくれていた。
それが、何よりも僕が嬉しかったところかもしれないと分かったんだ！
これからもずっと一緒に居ようね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
