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青春楽園  作者: みやび
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青春くん:プロローグ

 たしか、小学校後半で、ボクは『青春くん』と名付けられた。

 誰から言ってきたわけではないが、覚えたての『青春』というキーワードを使いたいがために、隣の席の山口くんが付けたのだ。果たしてそうだっただろうか。小学3~4年生くらいの記憶ってめちゃくちゃあいまいで、あの日クラスの女の子の靴下の匂いが嗅ぎたくなって、いつもより早めに着替えを終えて、プールの授業から帰ってきた日のことしか思い出せない。ただ、その日嗅いだ靴下の香りは、プールの水の2分の1が塩水だったときくらいのしょっぱい思い出だった。つまりこれは、青春の香りなのだろう。

 中学生の頃のあだ名も『青春くん』だった。

 ボクの名前は青葉春雄だったから、略して『青春くん』だ。それがまかり通るのは、きっと中学生までだろう。

 だが、青春くん、と呼ばれて気持ちいいと感じたことはなかった。

 青春はしょっぱい。

 中学を卒業し、高校。1年生のボク。

 ずっとずっと、『青春くん』『青春くん』『青春くん』。

 青春くんは、ボクの心から消えてなくなった。

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