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雷名の牙R ~獣の拳と竜の巫女~  作者: ファイバード
第四章 屍龍~Dragon zombie~
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レジスタンス・激戦区

「砲兵部隊20名、準備よし!」


「よし、敵の座標が分かるまで待機してな!」


「敵正反応確認! 十時方向、500m先に十体以上!」


 魔術師(ウィザード)! 魔法使いとも呼ぶが、それは体内魔力を様々な力に変えて使う者たちのことである。 通常、強力で複雑な魔法程、大型の発動体が必要とされる。 しかし、単純にエネルギーをぶつけるだけの砲撃なら、魔力はともかく、発動体は単純なもので済む。


 レジスタンスに所属する魔法使いの中にも、砲撃系の魔法を得意とする者は多い。 この世界においては、砲撃戦の主役は火薬ではない。 魔法なのだ!


 一方、ギラルの配下にも魔法使いは多数いる。 資材も、人材も勝っている。 だが、この時砲撃を行ったのは、人ではなかった。


「敵正反応、接近してきます! 距離300!」


 慌てた声のサーチ兵に対し、レラは素早く次の指示を飛ばす。


「砲撃用意! 目標10時方向、敵正面! 引き付けてから撃つよ!」


「距離100! 敵は……ハウンドです! 魔物の群れが突っ込んできます!」


「なんだってこんな時に……! いや、まだ撃つな! 見える距離まで引き付けるんだ!」


「距離50!」


「見えた! ───()ぇ!」


 KABOOM! KABOOM! 魔力砲やファイアボムといった攻撃魔法の数々が放たれ、爆炎と衝撃をまき散らす。 過剰なまでの攻撃! だが───


「敵集団、以前健在! 躱されてます!」


「見えてるよ! ───チィ、ハウンドドッグには当たらんか! とにかく一度下がって、陣を張るよ! ここじゃ地形が不利だ!」


 その時、一条の熱戦が煙を貫き、洞窟を焼いた!


「てき反応40───うわぁ!」


 BOMB! 熱線でサーチ兵が即死! 巻き込まれた数人も重症!


「ギャア───!」


 続々と煙の中からハウンドドッグが飛び出してくる!


 ハウンドドッグは、人間と同サイズの猛獣だ。 DLは5、集団で来られると、軍隊でも大打撃を受ける相手だ。


「各員、後退しつつ迎撃! この数は多すぎる! 通路に分散させるんだ!」


 そこら中で、ハウンドと兵士が殺し合いを始める。 今のところ戦況はレジスタンス側が僅かに有利だが、それを覆す敵が来ていた。


 おぉ、見よ! 群れの中心、何頭ものハウンドを引き連れて近づいてくるのは、熱線を放った魔物───ヘルハウンドだ!


 ハウンドの中でも上位個体で、DLは7、体重は1tにも届く怪物だ!


 一般兵では、まともに戦うことすらかなわない強敵だ。


「GRRRRRR……」


 レラの目前には、ハウンドが3頭。 だが、レラは下がらない。 殿として、ここで一頭でも多くの敵を留める必要があるのだ。


「雑魚が───纏めて消えな!」


 レラは背中の斧を引き抜くと、渾身の力で振り回した。


 ズドォン! 一撃で2頭を撃破! 返す一撃で3頭目も撃破! タツジン!


 だが、更に5頭のハウンドが接近! 何頭かレラの横を突破していった。


「左抜かれた! 気を付けな!」


 さらに右からもハウンドが数頭接近! 兵士たちが迎撃に出るが───


 KABOOM! そこへ熱線が直撃! 兵士が3人死んだ! ヘルハウンドの攻撃だ!


「GRRRRR!」


 ヘルハウンドの噛みつきで、兵士がさらに一人やられた。


「チィ!」


 レラは激昂してヘルハウンドに突進! だが、勝機はあるのか?


「コイツはアタシが止める! 雑魚は任せるよ!」


「ハイ!」


 副官のメアが応えた。 メアの実力は低くはない。 ハウンドの相手なら十分だろう。


 KABOOM!


「GRRRRR!」


「撃ちまくって! 近寄らせないで!」


 洞窟内の至る所に戦場が広がっている。 状況は混乱していて、どうなっているのか、レラにもよくわからない。


「このぉ!」


 レラは突っ込んできたハウンドを斬り伏せる。 同時に凶暴なヘルハウンドの攻撃を捌いていく。


 こいつに暴れさせたら、被害は甚大だ。 なんとしてもここで食い止めなくては!

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