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雷名の牙R ~獣の拳と竜の巫女~  作者: ファイバード
第三章 獣肉~Beast meat~
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洞窟探検

「うん。 いい、よ。 ……ついて、きて。 全部、話す…から…」


 ノイズ。 十字架、骨、血液……。


 ルチルは立ち上がり、雷牙を手招きした。


「見せたいもの…が…あるの」


 ランタンを手に取ると、キィと不気味な音が響いた


   ~~~   虚無


 ルチルに導かれて、雷牙は洞窟の奥へと進んでいた。 ヒカリゴケの提燈(ランタン)のだけが弱々しく足元を照らしている。


「おどろいたな。 この洞窟、予想以上に深い。 まだ奥なのか?」


「ご、ゴメン…ナサイ。 もうすぐ、だから……」


「ああいや、攻めてるわけじゃねぇけど」


 すでに500mは歩いたか。 すでに人工物は見当たらない。 人が通った跡はあるが、薄い。 きっと、めったに使われないのだろう。


 そして、天然の洞窟のようには、見えない。 隧道(トンネル)の様に同じ大きさの穴がどこまでも続いているからだ。


「まるで、土竜(モグラ)の穴だな」


「そう、だね。 似たようなもの…かな…」


「?」


 雷牙が首を傾げようとしたところで、突然視界が開けた。


「……着いた、よ」


 振り返ったルチルと目が合う。


「これは……」

[744650471/1568028070.jpg]

 そこは、遥か上まで続く、巨大な縦穴だった。 山を突き抜けて開いた穴から、月光が差し込んで───目の前のモノを照らしている。


 それは、青白い光に照らされた、無数の十字架だった。


 古い物も、新しい物もある。 そして、それぞれに名前が刻まれている。 一番新しいものは、数日前に作られたようだ。


 そして、その最深部、正真正銘、洞窟の最深には


 ───十字架に囲まれて眠る、見上げるほど巨大な、『竜』の姿があった。


 大きさにすれば、全長30mは超えるだろうか。 四足で、両肩から、大きな棘が突き出ている。


 岩のような鱗に包まれたその主は、この空間の半分を埋め、そして支配していた。


「……コイツ、生きてんのか」


 かすかだが、鼓動が聞こえる。 ゆっくりと、でも力強い鼓動だ。


「お、驚いた…? ここは…私たちレジスタンス…の、墓場。 ここで死んだ、人たちが……眠る場所」


「なるほどな。 十字架は墓標か。 百はあるな。 だけど、それじゃなくて」


 雷牙の指が巨竜を指さす。


「コイツは、なんなんだ?」


 その言葉に、ルチルは俯いて答えた。


「これが……この竜が、みんなが…私を…恐れる、理由」


 ルチルの顔に、影が落ちる。 なにか、重大なことを抱えている表情だ。



「私が……ここの人たちを───殺した───から」

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