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雷名の牙R ~獣の拳と竜の巫女~  作者: ファイバード
第三章 獣肉~Beast meat~
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雷牙VSタスクボア

 ALAAS! コイツは、全長2メートル、体重200kg超えの怪物、タスクボアだ!


 漢字表記は大牙猪。 (ディザスター)(レベル)6つまり、数百キロクラスの怪物で、非常に縄張り意識が強く、近づくものをその牙で襲う!


 ルチルは気付かずに、縄張りに入っていたというのか? そして、距離は僅か、タタミ数枚分しかない!!


「ッ……」


 逃げなければ! しかし、ルチルの脚は、恐怖に竦み動かない。 その上、腰まで水に浸かっているため、水の抵抗で、カメのような動きしかできない。


「フゴッ、グォウ……」


 タスクボアは、息を荒くし、突き上げるような牙を、ルチルへ向ける。


 ザクザクと地面をかき、今にも突進してきそうだ! しかも、この猪は水など気にしないのだ! コワイ!


 ルチルへ目掛け、大猪の牙が一直線に迫る! このままではルチルは串刺しは免れない!


「あ……た、助け、て」


 蚊の鳴くような声で発した願いは、はたして───


「ブロロrrr!」



   ゴキンッ!!!



 岩が砕けるような音が響き、その牙が止まった。


 水飛沫があがり、ルチルの視界が一瞬、遮られる。


 一秒の停止。


 大猪は頭部から流血し、脚をよろめかせた。 その前方一メートルには、


「よう、大丈夫か?」


 飄々とした顔でルチルを振り返る男の姿。


「ラ…ライガ……!」


「おう。 ちょっと待ってろ、コイツを片付けるからよ……!」


 魔猪は、新たなる侵入者へと牙を向ける。 流血のせいか? 息が荒く、闘争本能がむき出しだ───ッ!


 だが、その牙が雷牙を貫くことはなかった。


 雷牙が素早く水から上がり、跳躍したからだ。


 空中で、木の幹を蹴り、さらなる高高度へ跳躍! その位置は、魔猪の首の上!


 雷牙は拳をまっすぐに構え、一気に降下! これは48の殺人技の一つ、フライングパンチだ~~!


「Es Sei! Bei dew Ptortender hdle! Heilden ich!」


「ブロロrrrrr!!」


 雷牙の拳と、魔猪の牙が激突!


 押し勝ったのは……雷牙の拳だ! 一直線に魔猪の牙をへし折り、頭蓋骨を粉砕! そのままの勢いで泉へと落下し、


 ザッパ~ン!!


 再度水飛沫があがった。 滝のような水がルチルに直撃し、頭からずぶ濡れにする。


「……」


 ルチルの髪から、ポタポタと水滴が滴り落ちる。


 たっぷり五秒間の空白を得て、ルチルはハッと我に返った。


「ライ、ガ……?」


「おうよ。 無事か? 怪我は、な……」


 そこで、ルチルが裸であることに気付き、台詞が中断された。


 その胸は、今日も豊満だった。

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