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スクールカーストってどの学校にもあるよね

遂に来てしまった。このドアの向こう側に俺をいじめてくる奴らがいる。まず間違いなく入れば暴言を吐かれ、暴力を振るわれる。分かってても入らなければこの知らない世界でのたれ死んでしまう。


意を決してドアを開けた。


ギイイィ!!


そこには言わずもがな、俺のクラスの全生徒がいた。


「なんだ誰かと思えばうちのクラスの面汚しの豚野郎じゃねえか。」


第一声を放ったのは斎藤俊さいとう しゅん、大抵の暴力はコイツが原因だ。


「またこの薄汚いデブを視界に入れてさらには同じ空気を吸わなければいけないとは最悪ですね。」


次に話したのは小山了こやま りょう、精神的な苦痛を与えてくるのがコイツだ。ゴキブリを生きたまま飲まされたり、便器を舐めさせた主犯だ。


「うっわ〜まだ居んのかよ、この豚。マジキモいわー、さっさと死ねよ。ここまでついてくるとかもはやストーカーかよ。」


そして暴言吐きまくりの女は桐谷雫きりたに しずく、もう言わなくても何となくわかると思うがコイツが大抵の暴言を吐く元凶だ。

斎藤俊、小山了、桐谷雫の3人がうちのクラスを牛耳るスクールカーストの3人衆だ。

最後にその3人すら牛耳るのが俺のこの世で1番嫌いな見島達也みじま たつやだ。


「まあまあ、3人とも落ち着きなよ。同じクラスの一員何だからさ、仲良くやろうよ。」


「まあ、達也が言うならいいけどよ。」


「そうですね。」


「さすが達也!こんなキモ男にも優しくするなんて器が違うわー。」


そうこういう、いかにも自分は良い人アピールをして自分の評価を上げ、実際には俺をいじめる張本人のコイツが嫌いだった。


「おはよう、いや今はこんにちはかな?ははっ、この世界には時計なんて物はないらしくてその代わり、深夜を除いて3時間ごとに鐘が鳴るらしいんだ。

ま、何でも良い。君も無事でよかった、これから力を合わせて頑張ろう!」


「…うん。」


反吐が出るような綺麗ごとで正直うんざりだ。


バタンっ!!


「異世界の者たちよ!今から我らウルヘル王国の国王、ウインディ・デ・ウルヘル様の登場だ!こうべを垂れよ!」


いきなり兵士がドアから入ってきて、突然のことに呆然と立ち尽くした。


「これこれ、我らが強制的に招いたというのにそのような振る舞いはよせ。」


兵士の後ろから現れたのは豪華な赤いマントを羽織った王様にふさわしい服を着た王様だった。


「すまないな、異世界の者たちいや、この世界の救世主たちよ!!」


「「「「え!?俺たちが救世主?」」」」


「その通り、今我らは魔族や魔物によって追い詰められておるのだ。このままでは我らの国は滅びんでしまう。」


「ど、どうすればいいんですか!?」


達也が分かっているくせにそう話す。


「元凶である魔王を倒してくれ。全ては魔王によって人間たちは滅ぼされてしまう前に助けてほしい。恥ずかしい話、我らの兵士たちも頑張ってはくれてはいるが最近、魔族たちの襲撃によってこの国の防衛力は半壊した。そこで禁忌の魔法である異世界召喚を使ったのだ。いきなり知らない世界に来て戦ってくれというのは非常識だと分かっているのだがどうしても国民を守りたいのだ!!」


「もちろんです!毎日毎日、魔王に怯える国民のためにも僕たちが必ず魔王を打ち倒してみせます!」


あ〜あ、言っちゃったよ。こんなこと言うのはもちろんうちのクラスのスクールカースト最上位の見島達也だ。自らの命を失うかもしれないということに気づいていないのか?いや、コイツの場合は絶対に自分は死なないと思っているのだろう。コイツは自分中心に世界が回っていると思っている自己中心的な奴だからな。主人公にでもなったつもりなんだろう。


「おぉ…!!心強いなさすが天職《勇者》なだけあるな!!頼んだぞ!」


な、コイツの天職が勇者だと…、そりゃ主人公だわ…。

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