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異世界って言ったらステータス?

「は!?ど、奴隷!?」

俺は驚きを隠せなかった。普通、異世界の職業と言えば剣士とか魔術師だと想像するものだがまさかの奴隷…。というか奴隷って職業なのか?


「ほほ、あたしも初めて見たわこんな職業。しかし名と裏腹に強い効果を持っとるぞ。」


この婆さんによると俺の職業の効果はこうらしい。


《奴隷》 職業奴隷を持つ者は半径100mに自身より筋力が強い者がいれば体力を1段階強化する


「お婆さん、この1段階ってどういう意味ですか?」


「ふむ。お主はまだ知らないのも無理はない。実はこの世界には全ての生物にステータスというものがあるのじゃ!」


おぉ…。やっぱり異世界と言えばステータスだな。いくつか図書館で読んだことがあるが異世界系の鉄板でステータスの無い異世界なんて異世界とは言えないだろう。(まあ、にわかだから知らないけど)


「ど、どうやってステータスを見れるんですか?」


「簡単じゃよ、ステータスが見たいと心で念じればいいんじゃ。さすれば目の前に自分にしか見えない透明な板が出てきよる。」


早速お婆さんに言われた通りにやってみることにした。目を閉じて頭の中で唱える。

ステータスが見たい、ステータスが見たい、ステータスが見たい…目を開けてみるとそこには透明な板が浮遊していた。


「ほ、本当に現れた…。」


「どれ、私にも見せてもらうぞ王国の決まりじゃからのう。」


お婆さんは先程俺の天職を見たように水晶を光らせ、俺のステータスを水晶に表示した。


「む!!こ、これは…。」


お婆さんが驚くのも無理はない。なぜなら俺のステータスはこれだからだ。


無消零

種族 人間族

レベル 1

年齢 17

体力 G -

魔力 G -

筋力 G -

守力 G -

速力 G -


職業 《奴隷》

スキル 《異世界言語》


そう、このステータスは言われなくてもわかる、ザコいと…。その証拠に先程からお婆さんが唖然だ。


「…お、お主は何度もあたしを驚かせてくれるのう。…言いにくいんじゃが、この世界のステータスは合計25段階に別れておる。大まかには8種類じゃ。順番はS、A、B、C、D、E、F、Gとなっており、さらにプラス、マイナスをつけて25種類になっておる。まあ、ここまで言わなくても気づくとは思うがお主のステータスはオールG-つまり、最弱じゃ…。」


もちろん分かっていたがここまで酷いとは思わなかった。ステータスの話ではなく、俺の人生が、だ…。


「お主の職業の効果で体力が1段階上がったところでGでは正直、最弱の魔物と言われるベビーワームでさえ倒せんからのう…。」


「いや、分かっていたことですから…。僕はこういう運命なんです。わざわざ僕なんかのために時間をとらせて申し訳ないです…。」


「……お主、そう悲観するではない。生きていればきっといいことがあるもんじゃ。」


慰めの言葉を貰うほど俺の心が傷ついていく。今まで同じようなことを何度も言われたことがあるがそのたびに自分が不幸な人生を送っていることを再認識して、さらに俺の首を絞めることに彼らは知らない。


「…はい。」


それからは王国の兵士が現れ、俺の部屋へと案内してくれるらしい。

ここは王国の城らしくかなり歩いた。


「お前は今日からこの部屋だ!お前は規格外のため、このG部屋に住んでもらう。ふんっ、せいぜい頑張ることだ!」


俺の前にあるのは藁で作られた部屋だった。いや、部屋とは言えないだろう。なぜなら外に作られており、今さっき適当にあり合わせの物で作られた小屋のようだからだ。


「寒いな…。しかしそれにしてもこの城なんて大きさだ。」


ピラミットほどの城が太陽に照らされ純白に光っている。


王城って言ったてこんな大きな城をよく立てたもんだ。こんな城建てるくらいならもっと他にお金を使うことがあると思うけど…。

いや、そんなことより後5分で城の中に戻らなければならない。そう、クラス全員とこの国の王との話があるのだ。

俺は重い足取りで待ち合わせ場所に向かった。







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