プロローグ
そう
ここは空。コクピットのなか。とても狭い。ある人は窮屈だという。そしてある人は十分だという・・・
俺はどうだろう。狭いと感じているのだろうか
あぁ。そうだ俺は飛んでいるんだ。
右手は操縦桿、左手はスラストレバー、左右の足はラダーペダルに・・・
前方には空中給油機がいた、どうやら僕を待っているようだ。
俺たちは、遠征任務から帰還途中だった。
1時間前まで火花が飛び散る戦場にいた。
無線機から疲れ気味な声がきこえた。
「はぁ、つかれた。遠征なんてするもんじゃないな、だれかマッサージしてくれ」
その声に俺は
「おい三島、いま空中給油中だ、黙っててくれないか?」
「はいはい。わかったよせいぜい集中してくださいな」
俺は口だけわらった。
「あー、こちらデッドラット2給油を開始したい。」
「こちらサンダーヘッド。了解」
一通り給油を済ませたので編隊にもどる。給油機はさっていく。
「こちらデッドラット1。基地まであと1時間ってところだ。がんばれよ。」
「こちら4、了解。」
「2、了解」
「3、了解。」
とそれぞれ応答した。
予定どうり1時間後、基地に帰還してデブリーフィングをして、それぞれ自分の部屋で休んだり搭乗員室でくつろいでいたりした。
おれは搭乗員室のソファーで、コーヒーをのんでいた。
すると向こうからビールのはいったジョッキを片手に近づいてくる男がいた。
「おい椎野。」
「あぁ、今日はどうだった?」
突然だが、俺の名前は椎野マモル、いまきた男が我がデッドラット3番機の三島ユウイチという名前だ。
「いやー疲れたよ。よく生きて帰れたとおもうよ」
「大丈夫さ、お前の悪運は誰もが認めてるからな」
「どうだかな。ミサイルにおいかけられた回数は世界一という自信があるよ」
「生き残ってるじゃないか」
「・・・まぁ明日はオフだしな、一緒に街にいくか?」
「いいね」
「じゃあ決まりだ」
一通り会話をすませたあと、俺は自分の部屋へとむかった。