都市伝説よりも不思議な…
「…どーもバカな子には甘いらしい。年は取りたくないものだな」
そう言って地面を蹴り、屋上から地面へ飛び降りた。
―【開放】の力を使わずに。
「おっと。人目があるかもしれなかったな。いかんせん、癖は直りにくい。…言葉遣いも気を付けねばな」
ため息をついたマカの眼は、鈍く赤く光っていた。
「ウワサにもなっているみたいだしな。都市伝説とはあなどりにくい。…まっ、それが私だと気付いた者はいないだろうが。…同属以外は、な」
―数日後。
ミナは不思議そうに首を傾げた。
「何で無くなっちゃったんだろう? 例のサイト」
「サイトなんていつ消えてもおかしくないでしょう? それより集中! 試験近いんだから」
「あっ、はいはい」
昼休み、ミナはマカに勉強を教わっていた。
例のサイトが消えたことにより、【解放】の力が無くなったミナ。
しかし考え方が変わったのか、マカに勉強を教わるようになった。
「不思議なのはあの夜もそうなんだよねぇ。例のサイトの画面を見てから記憶は無いし、リビングは散らかってたしぃ。両親も何で散らかってるのか分からないみたいだったし」
「局地的な地震でもあったんでしょ?」