炎と氷の誓い
坂上田村麻呂がまだ歴史の表舞台に出てこない頃の話。
朝廷の地図に描かれぬ北の地、蝦夷(えみし)の心を知るべく、わずかな供を連れて雪深い山中へ分け入る。
彼は蝦夷の戦士たちの待ち伏せに遭い、矢が飛ぶ一触即発の状況で、蝦夷の指導者、阿弖流為(アテルイ)と対峙する。
田村麻呂はその場で捕縛されるが、ただならぬ彼の佇まいに何かを感じたアテルイによって丁重に扱われ、数日間、焚き火を囲み獲物の肉を分かち合うという、敵同士とは思えぬ不思議な交流を持つ。田村麻呂は「坂ノ上」と偽名を名乗り、北の地の「心」を胸に帰路につく。
数年後、『再会』は意外な形で訪れる。田村麻呂はついにアテルイを降伏に追い込むが、彼は勝利者としてではなく、かつての交流と、アテルイの「民を守る」という大義を尊重して接する。
これは、歴史の流れに抗うことのできなかった二人の英雄が、敵対を超えて互いの魂に敬意を払い合った、束の間の絆を描く物語である。
朝廷の地図に描かれぬ北の地、蝦夷(えみし)の心を知るべく、わずかな供を連れて雪深い山中へ分け入る。
彼は蝦夷の戦士たちの待ち伏せに遭い、矢が飛ぶ一触即発の状況で、蝦夷の指導者、阿弖流為(アテルイ)と対峙する。
田村麻呂はその場で捕縛されるが、ただならぬ彼の佇まいに何かを感じたアテルイによって丁重に扱われ、数日間、焚き火を囲み獲物の肉を分かち合うという、敵同士とは思えぬ不思議な交流を持つ。田村麻呂は「坂ノ上」と偽名を名乗り、北の地の「心」を胸に帰路につく。
数年後、『再会』は意外な形で訪れる。田村麻呂はついにアテルイを降伏に追い込むが、彼は勝利者としてではなく、かつての交流と、アテルイの「民を守る」という大義を尊重して接する。
これは、歴史の流れに抗うことのできなかった二人の英雄が、敵対を超えて互いの魂に敬意を払い合った、束の間の絆を描く物語である。