「公任と具平親王、貫之、人麻呂の歌と速記を沙汰のこと」速記談6047
四条大納言藤原公任卿が、具平親王のもとを訪れ、あれこれ話をした後、紀貫之は歌仙である、と申し上げたところ、具平親王は、柿本人麻呂にはかなわないだろうと仰せになった。公任卿は、紀貫之のほうが優れている旨申し上げたが、具平親王も柿本人麻呂のほうが優れているといってお譲りにならなかったので、後日、貫之と人麻呂の歌を十首ずつ持ち寄って、歌合わせをなさったところ、八首が人麻呂の勝ち、一首が引き分け、一首が貫之の勝ちとなったという。公任卿は、速記なら紀貫之のほうが優れていると申し上げたが、比べようもなく、沙汰やみとなった。
教訓:歌の優劣は、主観が入るが、速記の優劣は、ミス数で客観的に評価できる。




