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第6話 冒険者ギルド


 午前中の水属性の訓練を終えた俺たちは、昼食を簡単に済ませた後、アトラントにある冒険者ギルドを訪れることにした。


 冒険者ギルドは街の中心から少し外れた場所に建っていた。その外観は堅牢な石造りで、歴史を感じさせる古びた趣があるが、所々に修繕された跡も見える。木製の看板には剣と盾の紋章が彫られていて、冒険者たちの象徴ともいえる雰囲気を漂わせていた。建物の周りには馬車や荷物を積んだ商人たちの姿があり、近くの広場では武器や防具を手入れしている冒険者たちが見受けられる。


 扉を押して中に入ると、外の喧騒とは打って変わって活気に満ちた空間が広がっていた。室内は広々としていて、壁には様々な依頼が貼られた掲示板が並んでいる。受付カウンターには数人の職員がいて、依頼内容を説明したり、冒険者たちの報告を聞いているようだった。奥には酒場が併設されていて、昼間にも関わらず既に酔っ払いの笑い声が響いている。


 ギルドホールには様々な種類の冒険者が集まっていた。屈強な戦士や身軽そうな盗賊、杖を手にした魔法使いなどがそれぞれの装備を身にまとい、何かを話し合っている。中には鎧を傷だらけにした冒険者もいて、一目で過酷な仕事をこなしてきたことが分かる。


 「ここが冒険者ギルド……」

 俺は周囲を見渡しながら思わず呟いた。憧れと少しの緊張が入り混じる。


 「どうした? 緊張しているのか?」

 ノアが笑いながら俺を振り返る。


 「緊張というか……みんな強そうですし、雰囲気に圧倒されました。だけど、凄く楽しみです。」

 普段ラーナ村で過ごしていた俺にとって、この賑やかで厳しい雰囲気は少し遠い世界のように感じた。


 いよいよ冒険、という感じだ。魔物の討伐、洞窟攻略など、危険が伴う。けれど、これまで練習してきた魔法がどれだけ通用するか試したい気持ちもあった。


 「大丈夫だ、ラキ。お前はここに来る資格がある。それに、ここで経験を積むことが成長に繋がる。」

 ノアの言葉に励まされ、俺は少し胸を張った。確かに、こんな所で萎縮していては冒険者にはなれない。


 「お疲れ様です、冒険者様。本日はどのようなご要件でしょうか?」

 受付には冒険者ギルドの制服を着た綺麗なお姉さんが座っていた。

 

 「ギルドに登録したいのだが。」

 「初めてのご利用ですね。ようこそいらっしゃいました。それでは登録手続きをさせていただきますね。」

 受付のお姉さんはそう言うと1枚の紙と小さなナイフを取り出した。


 「こちらにパーティ名とお名前、それから血判をお願いいたします。」


 パーティ名か……考えてなかったな。

 

 「パーティ名、どうしますか?」

 俺は聞きながらノアの方を見ると彼は少し考え込んでいる様子だった。


 「何か候補はあるか?」

 「うーん……」


 正直ゲームなら適当につけてたからな。

 〇〇と愉快な仲間たち、とか。

 〇〇隊、〇〇家、とか。

 さすがにここで変なパーティ名にはしたくない。

 うーん、どうしよう。


 俺が悩んで唸っていると、ノアは「ルクシオン、はどうだ?」と提案してきた。


 「ルクシオン?」

 「あぁ、前にルクシアという光と繁栄を象徴する鳥がいると話しただろう? その鳥のように、光の道を往く者。そこから取ってルクシオンだ。」

 「なるほど。いいですね、ルクシオン!」


 こうして俺たちのパーティは「ルクシオン」となった。

 

 ノアが紙に書いてるところを俺は横から覗いてみた。そこで初めてノアのフルネームを知った。「ノア・ヴァルフレッド」それが彼の名前だった。


 ヴァルフレッド……かっこいい名前だな。

 そういえば俺、じいちゃんとばあちゃんの名前知らないな。

 苗字もないし、どうしよう……


 俺が名前を書くのに戸惑っているとノアが「どうした?」と声をかけてきた。


 「えっと……俺苗字がなくて……」

 「あぁ、苗字がない者は珍しくない。ラキだけで大丈夫だ。」

 「あ、そうなんですね。わかりました。」


 俺は「ラキ」とだけ記入した。ラーナ村に帰ったらじいちゃんとばあちゃんの名前を教えてもらおう。それで……二人の苗字をもらおう。


 次は血判だ。自分で自分の指を切るには勇気がいる。簡単には指など切れないだろう。そう思ったが意外にもナイフの切れ味が良かったのか、スパッと切れてしまった。


 「いてっ」


 思わず声を上げてしまった。予想以上に深く切れてしまい、じわりと血がにじむ。慌てて血判を押し、ヒーリングで傷口を塞いだ。


 受付のお姉さんは血判が押された紙に手をかざしながら詠唱を始めた。

 

 「ありがとうございます。登録が完了しました。こちらはギルド証明書となりますので常にお持ちください。紛失した場合、再発行となりますが手数料がかかりますのでお気をつけください。次に冒険者ギルドについてご説明させていただきます。」


 紙が光ると同時に完了したらしい。どういう仕組みかはわからないが。ギルド証明書にはE級と書かれていた。

 

 ・冒険者ギルドについて

 ギルドランクはE級からスタートです。E級依頼のみ受注可能です。

 ランクアップには一定のランクポイントが必要となります。

 C級ランクからはギルド支援が受けられます。資金、情報提供、魔道具の貸出、武器や防具の貸出などが対象です。受付にて貸出を行っておりますのでお申し付けください。尚、破損や紛失等を行った場合は依頼報酬を代わりに頂きますのでご了承ください。

 依頼の失敗、もしくは中止をする場合、ペナルティとしてランクが1つダウンします。ランクダウンした場合、しばらく上のランクを受注することは不可能となります。自分のランクに合った依頼を受注することをおすすめしております。

 上級以上となると指名依頼が来ることがあります。その場合、必ずしも受注する必要はありません。依頼を断ることも可能です。特にペナルティはありません。指名依頼の場合は報酬の交渉が可能です。

 依頼中の怪我、事故、死などに関しては冒険者ギルドは一切の責任を負いません。あくまでも依頼者と受注者の仲介業者となります。

 各ランクの詳細については下記をご覧下さい。

 

 初級(E級~D級)1銅貨~1銀貨 100~1,000円

 難易度:初心者向け、比較的危険度の低いクエスト

 内容例:小さな魔物の討伐、薬草の収集、道案内、農作物の保護、動物の捕獲など。

 報酬:低め。銅貨~銀貨程度が一般的。

 特徴:危険度は低いが、経験値や報酬も少ない。冒険者としてのスキルや経験を積むためのステップアップ段階。


 中級(C級~B級) 1銀貨~5金貨 1,000~50,000円

 難易度:中堅冒険者向け、ある程度の経験と戦闘能力を必要とする。

 内容例:中型の魔物の討伐、大きなダンジョンの探索、遺跡の発掘など。

 報酬:銀貨~金貨程度。報酬はクエストの内容に応じて異なる。

 特徴:危険度が上がり、報酬もそれに見合ったものになる。より高価なアイテムや素材が手に入ることもあり、冒険者としての名声や評判も上がる。


 上級(A級~S級) 10金貨以上 100,000円以上

難易度:上級者向け。非常に高い実力が要求される、危険度の高いクエスト。

内容例:強力な魔物やドラゴンの討伐、ダンジョンの深層部の探索、貴族や王族の護衛、大規模な戦闘や戦争への参加など。

 報酬:金貨~複数の金貨、高額な魔法アイテムや珍しい素材、土地の支配権など。報酬は非常に高額。

 特徴:これらのクエストは高いスキルと経験を持つ冒険者でなければ受けられない。成功すれば名声とともに莫大な報酬が得られるが、失敗すれば命の危険も伴う。


 伝説級(SS級以上)

 難易度:極めて高い、伝説的な冒険者や英雄にしか挑戦できない超難易度のクエスト。

 内容例:世界を揺るがすような大事件の解決、古代の魔物との戦い、神話に関連する遺跡の探索、破壊的な魔法の解決など。

 報酬:天文学的な報酬。土地、名誉、特別な魔法の技術など。時には王国や帝国の支援を受けることも。

 特徴:このレベルのクエストは、成功することで冒険者としての頂点に立つことができるが、失敗すれば国家規模の危機に繋がることも。選ばれし者だけが挑戦できる。


 S級やSS級の依頼の報酬として、称号や勲章などをもらあこともある。ドラゴンスレイヤーや王の名誉戦士とか。あとは土地や家屋、市民権などももらえる。

 成功率、実績、名声、特別な任務の遂行などでランクアップできる。


 

 冒険者ギルドについてはざっとこんな感じだ。他にも細かいことを色々説明されたが……まぁ、今のところはこのくらいを覚えておけば問題ないだろう。

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