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僕と彼女と雨と恋

作者: 黒星 織書

どうもみなさん、初めまして!黒星 織書と申します

黒星 織書と書いてくろほし おるかと読むので以後お見知りおきを

梅雨という年に二回のうちの一つである雨の時期にみなさんにこのお話を見つけていただいたことをうれしく思います

どうぞ、楽しんでいってください


僕は、雨が嫌いだ

だって、じめじめするし傘を差さないといけなし、もし自転車で通学しているならかっぱを着なければいけない。

ほら、いいことなんてないだろう?

「…はぁ、雨なんて降らなければいいのに」

つい、思っていたことが口に出てしまう

まぁ、存在感の薄い僕だし誰に聞かれているわけでもないから口に出したって頭で喋っていたって同じことだろう

「駄目だよ、雨が降ってくれなくっちゃ。だって、お花も作物も育ってくれなくなっちゃうしダムとかも干からびちゃうよ?」

「…雨宮さん、聞いてたの」

前言撤回、僕の発言は聞かれていた

どうやら存在感の薄い僕の発言を聞いている物好きは一人いたらしい

彼女の名前は雨宮 空。

僕のクラスメイトの一人でたまに僕に絡んでくる物好きだ

今日のように僕がぼそっと漏らした一言を拾ってしゃべりかけてくる

何が楽しいのか、わからないし、僕なんかと絡んでいる暇があるのだったら他の人と絡んでいた方が有意義というものだ。

そもそも、僕と話すことで一体彼女が何を…

「…おーい、おい!聞いてる?」

「ご、ごめん聞いてなかった」

「もう、さてはまたどうでもいいこと考えこんでたんでしょ?自分と話してて何になるんだとか他の人と絡んでいた方がましだとか」

「な、なんでわかるのエスパーか何か…?」

「はぁ…雲母君の顔見てればわかるよ。だって顔に書いてあるもん」

「僕ってそんなにわかりやすいの…?」

「うん」

はぁ…雨宮さんにはいつも心を読まれる。

あの人は超能力者か何かか?それか、妖怪さとり?

「今、私のこと妖怪みたいって思ったでしょ?」

「…雨宮さんそれはさすがに引く」

「え!?なんで!!?」

そりゃそうだろ、そこまで心読まれてたら怖いわ。

これから、彼女のことはさとりと呼ぶことにしよう

「まぁ、いいや。それより雲母君聞いてなかったみたいだからもう一回言うけど、勉強教えてくれない?」

「え?」

「え?」

彼女、今なんて言った勉強を教えてこの僕に?

「なんで、聞き返したの?」

「だ、だって僕に勉強教えてなんていうから。雨宮さんのほうが頭いいでしょ学年八位なんだから」

そう、彼女はこないだの模試で学年八位であった。一方の僕は50位。200人中。

だから、彼女が僕に聞いてくる理由が分からないのだ。

「そうだけど。でも、雲母君の方が数学出来るでしょ?こないだも数学、学年3位だったじゃん」

「よく知ってるね。確かに数学はそこそこできるけど…でも、雨宮さんもそんなに苦手じゃないよね?」

「そうなんだけど、問題集でどうしてもわからないところあってさ雨も少ししたらやむらしいから雨宿りも兼ねてついでに教えてもらおっかなぁと」

そういうことか。つまり、僕は雨宿りの暇つぶしってわけか。

うん、いやわかってたよ。僕なんかが目当てじゃないって。でもさ、こんな僕に話しかけてくれるし、それで頭いいのにわざわざ勉強聞いてきたらもしかしてって思うじゃん。思うじゃんねぇ?

「……。それで、教えてくれますか?」

[あー、うん。いいよ、僕も雨が止むまで待とうと思ってたし]

「やった!それじゃあ、前失礼して」

ぎぃという椅子の音とともに椅子を引っ張ってきて彼女が僕の前に座った。

うん…ちかい。いくら、僕が空気だとしてももうちょっと話してくれないだろうか。ちょっと顔を前に出したらおでこがぶつかりそう…

「で、ここの問7番なんだけど」

「あー、そこ。そこならこの公式を使って、あ、この時にあんまり有名じゃないけどこの公式使うと式がわかりやすくなるよ。この問題はここの変形で失敗しやすいから」

「あー、なるほどその公式か!忘れてた、復習しとかないと。あとは、この式とこの式使えばいける?」

「そうそう。それで、いけるよ」

「できたー!雲母君教えるのうまいね。わかんなかったのにこんな一瞬で解けちゃった」

「雨宮さんの呑み込みが早いだけだよ。僕は、やり方を教えただけ」

そう、謙遜でもなんでもなく本当に僕はやり方を“教えた”だけだ。

彼女の呑み込みが早いだけ。流石、学年八位でその名は伊達じゃなかった。

でも、だからこそ疑問がある。なんで、こんな問題に詰まっていたんだろうか?

いやいや、馬鹿にしているわけではない。彼女ならば僕に聞かずともこの程度の問題なら答えの解説を読めば理解できるのだ。

「ね、ねぇ雨宮さんはなんでー」

「ねぇ!雲母君さっき雨の話してたよね。雨が降らなければいいって、でも私は雨が好き。なんでだと思う?」

「え、……苗字に雨が入ってるから?」

って、何を言っているんだ僕は。そんなわけないじゃないか。

「や、やっぱり今のなしわすれて…」

「ふふ、確かに。それ、おもしろいね。次からそれ使おう」

「えぇ…」

彼女はそう言いながら椅子を断ち窓の方に歩いた。外の雨を眺めるためだろうか。

「私、雨って目立たないから好き。晴れ、雨、曇り、雪みたいに天気を並べたときに雨って目立たないじゃない。一年の三分の一は雨らしいし。雪とかに比べれば普通、当たり前の天気で晴れと違って降っても喜ばれることがない、嫌がられるか無関心」

言われてみればそうな気がする。雪が特別と感じるのは東京だからというのもあるが雨を特別に感じたことはない。雨で喜ぶのなんて遠足を休みたい小学生だけなのではないだろうか。

「でも、さっきも言ったけど雨ってとても大事で雨が降らなければ植物は枯れるし水もなくなる。目立たないけど、欠かせない存在。たとえそれがみんなに知られていなくても。だから、私は雨が好き」

「なるほどね。でも、やっぱり僕は雨が嫌いかな。湿気が多くてじめじめするし、濡れるし」

「ふふ、雲母君は正直だね」

「まぁ、嫌いだけど一か月に一回くらいならいいかな…」

「ツンデレかぁ?」

「ち、違うけど…僕のツンデレなんて需要ないでしょ」

「確かに」

「ひどくない!?そういうのって自虐ではいいけど普通、そんなことないわって言うところでしょ」

彼女は、窓から目を離して僕の方に向き直った。

「私、雨って雲母君に似てると思うんだ」

「どこが?さっきの話聞いてる限り、目立たない以外に似てるところないけど」

「そんなことないよ。雲母君は、自己評価が低すぎるのがたまに傷だね。例えば、花壇に毎日お水を上げていること。日直の名前と日付を朝早めに来て直していること。そのあとに教室の掃除をしてくれていること」

「な、なんで知ってるの!?」

「他にも、文化祭の時にこっそり提出資料の間違い直してたりたまっている返却物を返してたりとか誰にも言わないだけでたくさんのことをしてくれてるよね」

「いや、それはたまたま気づいたからやっただけで。それにこんなこと言いふらすことでもないでしょ。当たり前のことだし」

「そういうとこだよ。当たり前だって思って行動できること。それってすごいと思う。私だったら、めんどくさくなってできないや。誰かに頼っちゃう。誰にも気づかれないけど大事なこと。雲母君はやっぱり雨に似てるね。」

そうなのだろうか。いや、でも僕なんかがやってることよりみんなの方がよっぽどすごい。僕は、体育祭とかで貢献できるわけじゃないし文化祭でライブとかできるわけでもない。ただの普通の人。みんながやってるようなことはできない。だから、少しでもみんなの負担が減るようにやれることをやっているだけ。他のことができないからみんなと違うことをやってるだけ。僕は雨なんかじゃ

「また、僕なんかはって考えてるでしょ。自分のことをどう思うかそれは雲母君次第だからなんとも言えないけど、でも一つだけ言えることがある。あなたのことを見てる人はいるよ。あなたがすごくないと思っていることをすごいと思ってみてる人がいる。あなたのことをすごいと思っている人はいる。それだけは忘れないでね」

あぁ、駄目だ。彼女の方が見れない。今の自分はどういう顔をしているのだろうか。雨のような顔だろうか。それとも晴れのように赤い顔だろうか。それとも、狐の嫁入りか。

彼女には、妖怪さとりには全部お見通しだ。考えてることも言われたいことも全て。

「…やっぱり雨すきだなぁ」

彼女が再び窓の方を振り向いていう。

ほんとに雨が好きなんだな。彼女はさっきからずっと窓の外を眺めている。そのせいで顔がよく見えない、彼女は今どんな顔しているんだろう。いや、そんなのはきまっている。きっと楽しそうに雨を見てるに違いない。

「雨宮さん、本当に雨好きなんだね」

「……うん!!じゃ、じゃあ雲母君数学教えてくれてありがとね。私そろそろ帰るね。また、教えてね」

「うん。…今日はありがとね、雨宮さん。また、雨の日にでもやろう」

「…!うん!!じゃあねー!」

そういい彼女は颯爽と去って行った。ちょっと明日が楽しみな気がする。

あれ?そういえば雨やんでないのにいいのかな?雨宿りするって言ってたのに。

窓の方を向いてみる。

「あれ、もう雨やんでるじゃん。いつのまに」

もうすでに雨はやんでいた。いったいいつからやんでいたのだろうか。外では雨が止んだため野球部が練習を初めていた。

さて、僕もそろそろ帰るか。

あ、そういえば明日の天気ってなんなんだろう。気になって天気予報をスマホで調べる。

「あ、雨じゃん」

今はもう、雨が嫌ではなくなった。むしろ

「雨、楽しみだな」

僕は、雨が好きだ。

まずは、このお話を最後までお読みいただきありがとうございました

これが、初投稿作品なので楽しんでいただけたらよかったのかなと思います

このお話は私が暇つぶしに三題噺というものをやったときに50分で書いたものです

三題噺とは、三つのお題がランダムで出てきてそれに合わせて小説なりなんなりを書くもののことです

この作品の場合は、雨・恋・勉強がお題でございました

なので少々、ありきたりな展開感があると思うのですがそこはご勘弁いただけると…w

僕としてはこの作品の見どころは最後の方の描写かなと思っています

作者的には情景描写がだいぶきれいにかけたのではないかと思っています!(そんなことなかったらごめんなさい)

気になった方はぜひ最後の方を読み直してみてください

僕文章をまとめるのが苦手なので長くなってしまいましたが、ここらで僕の蛇足的なあとがきは終わりにしたいかなと思います

ここまで読んでくれたみなさんにもう一度感謝を!

かなり不定期だと思いますが、また何か夏には一つ上げたいかなと考えていますが伸びたらすいません

次にお会いするのが、二度目の雨じゃなく晴れの日のうちに会えるようがんばります

それでは、また!

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