老人と青二才と世界の謎
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最強の術技”回転突撃”を繰り出し、氷槍ニレオロをゴリゴリ削る轟音が中庭に響き渡る。激しい2つの術技のぶつかり合いは氷の爆散にて終わりを告げた。
お互いに吹き飛ばされ壁の煉瓦を破壊し突き破った。最後にコフィンの姿を見ようとした最後、意識を失う。気が付くと俺はギルド”カレッツァ”の中でまたしてもフリルに膝枕されたままの状態で目を覚ました。
あれからどうなったんだ?たしか、クレイブンと闘って気を失って…そうだ、コフィン?!コフィンはどこにいるんだ?
「まだ、安静になさってください。傷口が開いてしまいます」
「フリルか。あの後どうなったんだ?」
「どうって、ライガーさんと士官学校の生徒たちがここまで運んできてくれたのです。とにかく無事でよかった」
その会話を聞くなり俺は一息ホッとした。2人が無事なのは助かったが、士官学校の門番を務めていた熊獣人からの通達に言葉が出てこなかった。
『本日、士官学校の中庭にて無許可の戦闘を行いさらには器物損壊の罪で士官学校の出禁とする。なお、いかなる理由であっても傭兵証明書の発行を禁ずる。
※ただし、緊急依頼達成した場合には特別に発行を許可する。まあお前らには到底無理だろうな! 門番 エルグランドより』
なんてこった。あの老人のせいで傭兵証明書を発行するチャンスさえも失ってしまった、傭兵証明書がないと傭兵に成ることも出来ずに飢え死にするだけだ。何もかもがクレイブンのせいでこんなことになったんだ!
「アイツ探してぶっ飛ばしてくる‥」
「その必要はないわ」
!!? 「じいさん、あんた何でここに?!」
「何で?と言われてもお主らとの騒ぎでわしは士官学校の教師を剥奪され傭兵に成るために同行しろと言われての、おまえさん大したことなくてよかったわい」
「お気楽の所悪いけど、同行しても俺らは傭兵になることはできないんだぞ」
「お主通達の最後の方を見れば成れるぞよ『ただし、緊急依頼達成した場合には特別に発行を許可する』、その依頼はわしらでなんとかしてみればいいんじゃろ?なら協力しようじゃないか」
こんなじいさんと協力関係を築くなんてどうかしている。けど生きていくためには仕方のないことか…緊急依頼ってなんだ?クレイブンは知っているようだけど
「わかったよ、傭兵証明書をもらうまでの協力関係だかんな。勝手な真似はすんじゃねぇよ」
俺とクレイブンは傭兵証明書を発行条件として緊急依頼を達成するまでの期間、同行することとなったがコフィンの姿が見当たらない。どこに行ったのかと尋ねると訓練所に案内されて目にしたのは無限に出てくる氷の弾を飛んで回避する練習を一生懸命にこなしているコフィンであった。
なにしてるんだコフィンのやつ?氷の弾を避けているが隙を見つけて発射元を破壊しているが、何を鍛えているんだろうか。
『失礼いたします。ご主人様、コフィン様のステータスを確認したところ術技が大きく追加されています!水鏡神経に早撃照準を覚えています、前まではなかったのにどうしてでしょう?』
コフィンの凄まじい成長ぶりに驚きを隠せなかったが、このクレイブンという魔導士は教師としても働いていた経験から戦術の基礎を教えているのだろうと俺は確信した。
「攻撃の面は悪くはないがあの子は回避の面については基礎がなっておらん、だからお主ら2人には回避と早期判断を鍛えさせてやる。なにしろ緊急依頼のためじゃからの」
「その緊急依頼ってどういうものなんだ?」
「平たく言えば蜥蜴人の根城崩壊、一族根絶じゃな。そしてわしの仇でもある」
「仇?じいさんも訳アリか?」
「仇ついでに回避や諸々を教えてやるからの。気力というのは攻撃だけではなく操作や防御にも使えるぞ」
気力が回避に防御、それと操作?緊急依頼をこなす間だけお世話になるから悪くはないかもな。蜥蜴人、やっぱり獣人種の他にも原下種が存在するんだな‥
「んでその蜥蜴人の根城はどこにあるんだ?」
「たしか情報からすると根城があるのは世界樹の切り株を地下に掘り進めて巣を作っているそうじゃ」
「世界樹?ナ―ロッパにそんなものがあるんだ。でもなんで切り株だけが?」
俺はナ―ロッパという世界にも世界樹が存在していることに驚いた。普通世界樹はいかにもファンタジー小説に出てくる重要なワードだ。それが切り取られて大きな切り株のみになっているということは、何かしらの重要性が高いアクシデントが起こったに違いないと予想がつく。
「じいさん、この世界樹のことについて聞いてもいいか?俺も確かめたいことがあるんだ。どうして獣人種と人間種が共存していたのになぜ獣人種だけが残されたのかを知りたいんだ」
クレイブンは世界樹の歴史についてあるだけの情報を俺に話した。
この小説も皆さまに認知されて本当にありがとうございます。
だいぶ長くしようと思っています
大体、30話辺り続けようかな?