リアルすぎる夢
異世界転移の新作です
木、金、日の22時30分に出来るだけ投稿します
こりゃあまいったな――
突然寝ている途中で金縛りにあうなんて最悪だ。
地べたに這いつくばる自分と見ず知らずの人のうめき声が聞こえる中、手足の感覚が寒くなっている。
そうか、俺。もうすぐ死ぬんだ。でもなんでだ?
ここはどこだかわかんないし、どうして城の中にいるんだよ?夢にしてはリアル過ぎないか?
なんで動かないんだよ!? 早く動け! 動け! 動け!
動いてアイツを倒さないと! 今だけでも良いから少しでも立ち上がって剣を突いたりしたりはできるんだろ! 自分なら頑張れる! やればできる子なんだ。
俺はやらないと‥いけないのに‥‥どうして体が動かないんだ‥‥
必死の抵抗も空しく体を動かすことも出来なかった。
そりゃそうだ、なんせ俺の体は四肢が切られなくなっているんだっけ…なんで忘れてんだろ。王族相手に全力出してもこのザマ
だが、辛うじて顔だけは上げることは出来るようだ。
奥からは俺の身長1.5倍の高さもある王様らしき人物が現れた。その頬に剣の先っちょを滑らせて撫でて切りつけた。その頬から血が垂れる感覚が死へのカウントダウンを意味するように段々と体の自由が利かなくなった。
これが夢ならここらへんで覚めるのがセオリー通りな展開なんだけど、何言ってんだかわかんないな。傭兵?種族開放??そんなもん知らねぇし俺には関係はないだろ。
「あろうことかこの王族を殺害しようするとは‥おまえを突き動かすその力は一体なんだ」
「何だって言われても与えられた力を使って正しいことをしているだけだ」
「それが貴殿の答えか‥」
王族の言葉を最後に俺は頭をかち割られて死んだ。
なぜこうなったんだ…どこで間違えたんだ俺は…なんかこう戦って仲間を増やしてそれからなんだっけ?というか俺なんでこんな世界に居るんだろ?俺の夢ってなんだった?
わからない、わからない、わからない。何度頭にアクセスやってみても全然思い出せない。
今って何月何日だっけか? とりあえず蒸し暑かったから7月くらいでいいや
どうでも良いな、こんな夢。久しぶりにリアルすぎる夢を見たもんだな
「これは夢ではないのだ。あなたがこれから始まる物語の分岐点なの」
誰?この小学生が話しているような声は――
もういい加減に寝させてくれよ眠いし、俺死んだんだから責めて天国に行く準備手続きでも用意してくれたらいいのによ。これから始まる分岐点って、いかにも勇者みたいな流れじゃん?
そういうのもう終わってんのよ。悪者退治するときにはチート能力がおすすめじゃん。
てか俺のチートなんだろ?
「…まあ走馬灯を回想しながらも聞くのだ。おまえは異世界に落とされて最強を目指されてしまう。悪い魔法使いによって――私は必ず君を助けるのだ、だから思い出してあの日のことを…」
「あの日のこと?とにかく君は俺を助けるんだな、絶対に忘れない。約束だ」
走馬灯が終わりを告げたと同時にカムクラ・イズルは病室にて目を覚ました。首筋にヒヤリと冷たい感覚が襲う。寝汗だ、その手だけでなく下にも違和感を感じると枕とシーツがびしょ濡れになっていた。
「リアルすぎた夢をみたもんだな。まだ眠いし2度寝しよ」
作者が1000文字くらいしか書けないので
寝る前の暇つぶしに読んでくれたら幸いです