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お盆に帰ってくるのは故人だけではない

作者: Principe

与太話と思って軽く流してください

 世の中にはペットは家族であると考える人がいます。

私も「ペットは家族派」です。


皆さんは如何ですか?


そんな私はお盆の季節になるとふと考えます。

あの子も戻ってくるのかな?……と布団に入る時に。


ちなみにお盆とは八月十三日から十六日までを指し、この期間にご先祖様の霊が

この世に戻ってくるという、日本独自の風習です。


さて先にあげたペットは家族派の人はお盆をどう考えますか?


一般的にペットが亡くなったときは、仏壇や一族の墓地に一所に

納めるべきではないと言われております。


それはあの世でご先祖様にペットがいじめられるからだとの事。

確かに私や親兄弟にとってペットは家族といえど、

ご先祖様にはどこの馬の骨(犬?猫?)とも分からぬもの。

だからご先祖様のお気持ちを理解できなくはありません。


しかし、それでも私にとってペットは……あの子たちは、

かけがえのない私の家族でありました。

ただ悔やむべきは、その死に目にも立ち会えず、

ただ水葬されたと後日帰省したおりに聞かされたことです。


 話は戻りますが、私の経験に基づくとお盆にはペットの霊も戻ってきています。

ただ、ご先祖様に遠慮しているのか、その姿を見せてくれるのは

日付が十六日から翌日に変わってからでした。


生前からあの子たちは夜寝るときには、私の脇か股の間に入ってくるか、

もしくは胸の上に乗って一緒に眠りにつくのが日常でした。

今年もお盆が終わると、あの子たちは私の布団の上に戻ってきました。

丁度、そこで鉢合わせした白と黒の二匹は私の上でいつものようにシャーっと軽い威嚇をしていました。


そういう時は、いつも繊細で薄毛の黒い子を無意識に私の布団の中に入れます。

そしてドッシリと布団の上から動かぬ大らかで太ましい白い子をなでていると、

私はいつの間に寝いってしまうのでした。


 あの子たちが亡くなってから十数年経ちますが、今年も戻ってきました。

以前はお盆に限らず、ちょくちょく私の元に来てくれていたのですが、

何年か前に黒い子が「私はもう行くから」と告げて去っていきました。

おそらく三途の川を渡ったのでしょう。


その一方で、白い子は私の願いをきいてくれたのか、健気にも現世に留まって

私の母を守ってくれているようです。

だから私が実家に帰省した際は、白い子の分もご飯を用意するようにしています。

食いしん坊のあの子はいつも食卓の下でかわいい声で鳴いています。



いまでも大好きな母の近くで。

またあの子たちに再会できる日を楽しみにして、ここに記しました。

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