オロチ丸デレる
仏陀を倒した火神とオロチ丸は次の相手基督の居る聖地獄──
聖なる地獄とはいかに…
地獄……それは地下にある牢屋であり悪人を閉じ込める為にあるもの。
その地獄を統べる者が基督という名前の主であるだけの事だ。
「ここが最後だね?」
「はい!火神様!」
「じゃ…行こうか!」
「はい!……でもちょっとお願いが……」
「ん?なぁに?珍しいね?オロチ丸がお願いなんて……」
「えへへ……ボクいつも火神様に救われてばかりで……でも最後くらい……ううん。ちょっと勇気が欲しいのです……いいですか?」
「んー?よく分からないけどいいよ?」
「やった!ありがとうございます!」
オロチ丸はかつて出会いセイトに着いた時に変身した少女の姿になりトテトテと俺のそばに駆けてきた。
そして……コケた。
「いててて……」
「全くもう……大丈夫?んん!?」
火神が手を差し出すとその手をグイッと引っ張りオロチ丸は口を尖らせ少し強引にキスをした。今まで火神のことを好きと公言していても行動に移すことは無かった。しかしオロチ丸はこの戦いが最後になる事を薄々感づいていたのだ。
聖地獄──基督それは強大な敵。
安倍晴明は何を思ってこのインヴァースに召喚したのか。
その全ての謎は今──暴かれようとしていた。
「ぷはぁ……ごめんなさい……火神様……」
「……ちょっとビックリしたけど……謝る事無いよ?俺もオロチ丸の事好きだから。」
「ふぇ!?そ、そ、そ、そうなんですか?」
「うん。みんな事が大好き。難陀、裟伽羅、ウロボロス、アルマゲドン、クラ……」
「……」
オロチ丸は少し残念そうに頭をさげる。
「でも……その中でも1番なのはやっぱりオロチ丸なんだよ。」
ぱぁっと誰が見ても分かるほどキラキラとした目で火神を見つめるオロチ丸。現金な性格である。
「現代から飛ばされた時はどうしようかって思ってたけどさ?オロチ丸が一緒に居てくれたから何とかなった部分も多かった。それは精神的にも肉体的にもね?でも……だからこの戦いが終わったら一緒に日本へ帰ろうよ。もしかしたら無理かもしれない。けど安倍晴明って有名な陰陽師でしょ?ある意味超能力者とも言える。アイツに勝って2人で帰ろうよ!」
大きく目を開眼させたオロチ丸に今度は火神がそっとキスをする。童貞ボーイのキスはとてもじゃないが上手くない。歯がカチンっと当たったがダメージは精神的ダメージのみだ。
そして2人して顔を見合わせ笑いあった。
「よし。行こうか!」
「はい!火神様!どこまでもお供します!」
僕達は手を繋ぎ聖地獄の中へ足を踏み入れたのだった──




