表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/104

鈴鹿御前

真っ黒な影が4方向から一体の龍を囲み何やら呪文を唱えている。


ふふふ、、、ふふふ、、、上手くいった上手くいった、、、


え?何が上手くいったって?それは後でのお楽しみだよ。


~~~


たった1人の美しい女性が街の内側から兵士に問いかける。

その女性は真っ黒に黒光りした漆黒の髪をサラサラと揺らし体の線が分かりにくいストンと真っ直ぐな真っ白なワンピースを着ていた。足首までしっかり隠れたワンピースは清潔感があるが彼女の漆黒の髪を強調していてその違和感に気づかない。


「ねぇ?そこのおにぃさん?この街で一番偉い人は誰なんだい?」


『ん?ああ、、、そなたは外国の方か?まぁ、、、いいか。この街を治められている太守殿の事であろう。ここイェド・プリオルは太守殿グリード・フォーゼ様が治める花の街。どうだ?美しい街だろ?』

門にいる警備兵が自慢げに話す。


彼はイェド・プリオルの街が誇らしいのだ。

全世界を見て回った訳では無いがここ通称ドラゴニア大陸全土の中で一番美しい街であることは紛うことない事実。そう自負していた。


「そうなんだねぇ?その、、、太守様?って言うのはあのでっかい建物にいるのかい?」


「ははは。それは違うぞ。あの建物はこの街の冒険ギルド。元勇者殿が運営されている全国でも稀な所でな?そなたも行って見なさるといい。旅人は歓迎されるであろう。建物も他のギルドがある粗悪な建物と違ってまるで宮殿の様な造りなのだ。」

ふふんとまた彼は胸を張って自慢してくる。

しかし有益な情報を得られたものよ。

元勇者がここにおるとはな。

元勇者=かつての勇者だが、今や彼らは犯罪者。ギルドへ討伐依頼が所狭しと貼られている。

忌み嫌われる魔物扱いである。


ふふふ、、、ギルド、、、太守、、、

これは歳先いいな?我は早うこの街の太守が泣き叫ぶ姿が見たいわ!ふははははは


そして謎の美しい女性はギルドへと向かうのだった。元勇者に会うために。


ウィーン


なんとこのギルドの扉はスライド式の自動扉であった。

通常ギルドの中は殺伐としており筋骨隆々な粗暴な者達が冒険譚をつまみに酒を呑む。

中には女性もいるがそれでも胸なのか筋肉なのか分からないトレーニング狂が多い。

回復や魔術師などの支援、遠距離系の者であってもそこそこ鍛えているのだ。


だがこのギルドは異質。

まるで市役所だ。

事務員が窓口に整然と並び受付には小綺麗に着込んだ若者から年配の人達が受付を済ませ数字の書いた紙を持ってソファーに座って静かに待っている。

誰も騒がないし酒の臭いや葉巻の臭いがしない。

禁煙なのであろうか?

先程ギルドへ入ってくる時に入口から程ない場所で葉巻を咥えている人々がいた事を思い出す。


なんなのだ?ここは。まるで異世界では無いか。

無論最新の日本を知らない彼女では理解できない環境。

異様な空気に圧倒されるも女性は奥に入って数字の書いた紙を受け取る。

郷に入っては郷に従えだろうと周囲に合わせる形をとったのだ。


「76番の方〜」


右から3番目の女性が自分が持っている番号を呼んだ。


「あ。はい。」

女性は番号の紙を持ちトテトテと窓口に行く。

どうやらこの体に馴染んでいないようだ。


「どのような御用で?」

「先程警備兵にギルドについて小耳に挟んでねぇ。元勇者様に会ってみたいと思うたんだけど、、、叶わないかねぇ?」


「ああ。鈴鹿御前様のお目通りですね。それだと、、、ああ本日は予定が一杯ですね。また明日の昼過ぎなら空いていますが如何なさいますか?」


「じゃあそれでお願いしようかねぇ」


私は明日を待つことに決めた。

美味い肉だといいなぁと思いながら。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ