安倍晴明登場
すれ違った火神達は当初の予定も忘れオロチ丸達を捜索することにした。
元々火神が誘拐されたが為のすれ違いであったからである。
まずはムリフェンの街を虱潰しに探し住民やギルドから情報を得るも1日前の情報しか無く、お互いの距離は離れていくばかりであった。
「んー、、、オロチ丸達居ないねぇ、、、一旦予知夢発動させてみようかな、、、それとも女神ウーラニアーの助言の方が的確かな、、、?どっちにしようか、、、ねぇ、、、アルマゲドンはどう思う?」
『あっえっ、、、はい。僕は火神様の予知夢がいいと思います。僕が信じているのは火神様だけなので!』
アルマゲドンは火神教の従順なる信徒と言われても良いくらいの盲信ぶりである。
一方的でも主人に対する好意には全力投球するのだと前世で、、、いや現世で飼育員が亡くなった時を想い誓ったことであった。
画して俺たちは一旦宿を取り直し1泊する事になった。
もしもこの時ケプラーに向け出発していたならばあんな事にはならなかったのだろうか?
それは神のみぞ知る事ではあるのだがここが間違いなく意図せず人生の岐路だったと後々悟る火神なのだった。
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『ぐすっ、、、ぐす、、、那岐さまぁ、、、、、、、どこですかぁ、、、、、?』
涙で目を腫らしたオロチ丸はただ彷徨い続けていた。
難陀やウロボロスが付いていながら道に迷うも放置プレイなのはオロチ丸が話を全く聞かないからである。
今オロチ丸達はケプラー王国とトンドラの丁度中間地点に居た。
ウロボロスの天体観測により方向はあっていたのだがいかんせん暴走気味のオロチ丸のせいで軌道がズレていたようだ。
そして夕刻に差しかかる時とても美しい森を発見した。
小鳥が囀り小川が流れその水は透き通っており普段見かける日本の川とは比べ物にならないほどの透明度である。
その水面には夕日が差し込み幻想的な表情を見せる。
今夜は野営の準備をして野宿ということになった一行は完全に夜になる前に森で狩猟し食料の調達をする気である。
それもオロチ丸のせいであり、那岐ロスが引き起こした愚行である。
この日事件が起こる。
まず火神不在のままでは修行の意味を感じなくなったウロボロスが隊を離れ天界へと戻ってしまった。
『火神様が見つかり次第帰ります故』と翼を広げると大空に飛び立ちものの数秒で見えなくなる。
ウロボロスのことなど眼中にないオロチ丸にはその声は届くことも無く難陀は頭を抱える。
実際このメンツでウロボロスが抜けることの意味は大きかった。
確実に苦戦を強いられるであろう。
各能力は高いもののオロチ丸は戦意喪失している。
難陀はオロチ丸を庇いながらの戦闘になるのだ。
頭を抱えてしまったがオロチ丸は至ってマイペースに狼狽えている。
もう自分もオロチ丸を見捨てるという選択肢も頭を過ぎるがブンブンと振って火神に叱責されることを考え改めた。
何としてもオロチ丸を守らなくてはと。
森では鹿や熊といった生物を確認出来るも魔物も無く不自然なほど安全であった。
軽く結界を張るだけで動物達は侵入してこない為、川の畔に簡素な寝床も拵えた。
火を起こし焚き火をするとポカポカと体を温める。
難陀はオロチ丸の右往左往と彷徨う日中の行動に付き合わされたツケが回ってきたのかウトウトとうたた寝をしてしまう。
無論オロチ丸はガッツリ爆睡である。
2人が寝静まり森にはいよいよ宵闇が訪れる。
寝ている間も結界を維持出来るように魔石に魔法を掛け早朝までの間安全に休息出来るはずであった。
余程の魔力でレジストしない限りは破壊することの出来ない結界。
結界を無理やり破壊するならば結界で使用した魔力のおよそ3倍は必要と言われている。
しかし結界にも属性があり、相性が良いと1、5倍程で破壊可能である。
逆に相性が悪いと5倍の魔力が必要になる。
そして結界を張った術者以外は結界の属性が何であるのかを判断することは難しいのだ。
特に色も匂いも味もしない。
敢えて言うならば攻撃魔法を弾く時の反応が属性の相性で違うことから数度攻撃し属性を特定するしかないのだ。
そんな結界が守る彼女らの寝床を荒らす者。
安倍晴明本人の登場である。
この時からオロチ丸はインヴァースで起こった記憶を全て無くすことになるのだった。
ここで1章が終わりです。
この後オロチ丸の記憶が戻ることはあるのか?
また火神と再開することが出来るのか乞うご期待。
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よろしくお願いします。。。




