失踪事件
そして旅立ちの朝
火神は裟伽羅と共に失踪した。
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ここは、、、、?
今、、、何時だろう?
俺は意識がモヤっとする中考えていた。
ジリリリリリ、、、、
あ、ああ、、、朝か。
「ほら。那岐!起きなさい!遅刻するわよ?」
いつも通りの母さんの声が聞こえる。
「う、、うん、、、わかっ、、、てるよ、、、、」
ぐ~~
この二度寝が気持ちいいんだよな。
でも今日はなぜだか体が重い。
そんな気がする。。。
「那岐!早く起きなさい!早くおきないと、、、」
母さんからの催促が始まった。
こりゃすぐ起きないと何されるか分かったもんじゃない、、、
「う、うん、、、分かったよ、、、起きるから、、、」
俺は眠気眼を無理やり開けるとそこに広がる光景に唖然とした。
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火神と裟伽羅の失踪から3日経った。
ムリフェンを出発する朝の失踪騒動。
オロチ丸達は慌てふためき、ムリフェン中を探したがどこにもいなかった。
ギルドへと捜索以来も出したが行方どころか手がかりすら皆無であった。
ただ唯一の情報は《裟伽羅》と一緒と言う点である。
彼女は幻術師。
伝説の幻術師ログの一番弟子とされる偉大な幻術使いでその実力たるや街を丸々ひとつ幻術で包むほどだ。
トンドラの街は彼女の幻術によって近代化された偽りの街だった。
彼女が過去に見た東京の風景そのままを凝縮した街であった。
彼女ならば火神に幻術を見せたまま移動させることが可能なのである。
そして翌日アルマゲドンも失踪した。
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目の前に広がる風景、、、
それは現世の俺の部屋だった。
だがそれはとても違和感のあるものだった。
壁紙が違う。部屋の間取りも違う。家具が違う。でも俺の部屋なのだ。
火神は認識阻害と思考妨害の魔術をかけられていた。
違和感がありながらも認識も考える事も出来ない。
裟伽羅に魔術をかけられ為す術もなく涎を垂らし認知症の様な症状に見舞われる。
ここはムリフェンから少し北に上り海岸沿いを西に向かった所にある廃墟。
かつて漁師町として栄えたそうだが今は荒れ果て数件の廃墟が残るのみである。
裟伽羅が優鉢羅と幼少期を過ごした町である。
裟伽羅はここが廃れた事情には詳しくないがどうやら海の魔物にやられたと思しき痛々しい傷跡が残る。
幻術では人までは再現出来ないが栄えた頃の漁師町を幻術で再現すると今なお健在な衛兵の詰所地下にあった独房に火神をぶち込んだ。
「さて、、、これからどうしよう、、、安倍晴明に、、、?いや、、、」
裟伽羅は顔を歪め熟考していた。
あれやこれやと考えるうちに眠たくなりうたた寝を始める。
ボロボロになった看守が座っていたであろう椅子にもたれ掛かり深い深い眠りにつくのだった。




