ギリシア神殿到着
断崖絶壁の孤島の中心部。
そこにギリシア神殿がある。
この世界にある神殿は全部で4つ。
各大陸間に一つづつ点在し中央にある島国に一際大きな神殿がある。
ここに祀られし神の名はウーラニア。
ムーサと呼ばれる9人いる文芸の女神の中の1柱。
全知全能の神と記憶を司る神との間の子である。
占星術や天文を得意とし、未来予知が出来る。
《ムネーモシュネー》の力も受け継ぎ記憶の改竄も可能なある意味最強のチート能力者。
この世界の神々はムーサと呼ばれる女神達である。
彼女らは世界の均衡のために人知れず戦う。
肉体は朽ち果て精神体となった今でも神殿によるエネルギーの供給で存在できる。
神殿から遥か遠く離れての行動は出来ないが使役する天使たちによって行動を成す。
使役する天使に乗り移ることも可能なのである。
しかし乗り移った能力は人ほどに低下し存在すら危うくなるので滅多に使用されることは無い。
お告げや助言に留めているのがその理由の1つである。
「おお、、、ここが神殿?か、、、何か神々しいな?ウロボロスはこういうの詳しそうだよね?天界に住んでたんだし、、、」
『そうですね。皆さんよりは詳しいと思います。ギリシア神殿には複数の女神が住んでいます。ここにはウーラニア、カリオペー、クレイオーが居ます。天界には天使と呼ばれる神々の従者が常駐していますが神殿には天使はいません。天界には上位の神々が存在しその命令を受け実行するのが女神達の仕事ですね。』
「ふむふむ、、、何か難しい話だな?ウロボロスが居た天界にはどんな神がいるの?」
『はい。天界に居るのは原始の4神です。カオス様、エロス様、タルタロス様、ガイア様です。私はガイア様に使える龍でしたね。。。だが今は、、、』
ウロボロスは火神に対して敬意を持って接しているがどうしても火神の弟子になったことを納得出来ないでいた。
神、天使に次ぐ龍族の中でも天界に居る頂点が彼らである。
難陀は龍王序列一位であるがそれは下界においてのこと。
力関係でいえば天界の方が上位である。
しかし下界ナンバーワンは伊達ではない。
武力だけに限っていえばウロボロスと難陀はほぼ互角であった。
火神達はウロボロスに乗りギリシア神殿へとたどり着いた。
神殿は白い石造りであるが所々にヒビが入りとても綺麗とは言えない。
それはかつて起こった神々と鬼の戦いの傷跡だった。
おおよそ人が付けれるような傷では無い。
斬撃でついたその傷は刃渡り5メートルを超えた長剣でつけられたもの。
かつての勇者による傷である。
《鬼族》が《勇者》と担がれたのは今から百年前。
しかし今は鬼族=元勇者。
数年前にインヴァースに現れた安倍晴明は世界の均衡を変えた。
鬼族を騙し神々に矛先を向かわせる。
そして鬼族は神々に背き勇者の証たる女神から与えられし神の道具《神具》を奪われる事になる。
トンドラにあった神具は紛い物ではないがあれは勇者に与えられたものとは明らかに違う。
安倍晴明が神を欺き騙し取った玩具にも等しい物であった。
その秘められた力は本物の神具の足元にも及ばない物。
しかしウーラニアの眼鏡は本物の神具。
その能力は凄まじいがウーラニアが認める真の勇者にしか与えられるものでは無い。
そして神々の意図に逆らうと消え去る。
その事を知る由もない火神であった。
そして何知らない火神は何の覚悟も無くギリシア神殿内部へと入っていくのだった。




