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火神父の生い立ち

そのチビは旅立った。

動物病院を沢山回ったがどこに行っても断られ、火神父は子供ながらに恨んだ。


朝の配達員。動物病院。そして《ミー》。

特に動物病院の対応には何も出来ない自分への責任を獣医に押し付けるようであったが《最期を看取る》ことを断る病院だらけだった実情に激しい怒りを覚える。


実際最後の最後まで放置され続けた彼女は痛みに耐え最後まで「にゃーにゃー、、、、」と俺に鳴き続けていた。

そのチビがどんな顔でどんな声で鳴いていたか今思い出しても辛いのだ。

もしも初めの病院で痛み止めや安楽死を勧めてくれたらと思うがどの病院も《もう助からないから》と一辺倒な返事をするのだ。

まるでマニュアルであるかの如くであった。


更に、、、その年の冬。

《ミー》も《チビ》にまるで連れられるように旅立った。

あれは雪の振る中だった。

辺りはしんしんと降る雪に道路を凍らせ、町はクリスマスムード。

火神父は親戚に頼まれたプレゼントを探しに行く。

同級生の親戚であったが心臓が悪く入退院を繰り返す体の弱い少年であった。

ある日火神父は頼まれたプレゼントを探しに色々な店を回ることになる。

そして深夜まで続いた捜索の末、当時人気で中々手に入らなかった《龍を倒す冒険のゲームソフト》を手に入れた。

親戚の彼の家にプレゼントを渡しに行って家に帰ると《ミー》は車との接触事故を起こし、即死したと母親からき聞かされた。

この時火神父は涙すら出ずまた《恨み》を深めた。


何故俺が他人のプレゼントを必死に買いに動き回り、愛猫が死ななければならない?

この世界には神はいないと。

それからの少年は感情を無くしたかの様に冷徹な目をする様になる。

この時期から虐められることもほぼ無くなるが危険人物として歪んだ少年期を過ごす。

死への躊躇が無くなったのだ。

自分が死ぬこともそうだが殺すことにも躊躇がない。

それ故に今まで優しかった心は荒み、暴れたい時に暴れ彼の周りには誰も寄り付かなくなった。

しかし彼はそれで良かった。

どうせいなくなる他人など何の役にも立たないからである。


そして、、、10年もの時が経つ。

格闘技を習い自分の身は自分で守れる様になった。

良き妻にも出会い子供にも恵まれ那岐が産まれる。

産まれたばかりの那岐をみても感動は無かったが子供の成長とともに自分の欠けていた感情も甦るようであった。

そして那岐が小学生に上がった時。

那岐は誕生日プレゼントに《犬が欲しい》と強請る。


火神父は悩んだ。

感情を与えてくれたのも無くした原因も動物である。

そして那岐にこの思いをさせる事が果たして良いのかどうか。

火神父はただ怖かっただけかも知れない。

最後のお別れのその時が。

それ故に火神父は那岐に動物の飼育を禁止したのだ。


~~~


アルマゲドンへと向かった火神は徐々に近づくその巨体に驚愕する。

山小屋から見たアルマゲドンは遠く離れていたためその巨大さが分からなかった。

超飛行を使い酸素が薄くなるも結界と重力操作の併用活用で気圧を安定させることに成功していた。

音速飛行が出来ない為に飛行スピードは落ちるが安全のためには致し方なかった。


オロチ丸、難陀、ウロボロス、裟伽羅は小屋で上を見つめただ見守るしかなかった。

例え火神について行ったとしても足でまといにしかならない程の存在だからである。


火神は近づくその巨体に困惑していた。

なぜだかオロチ丸に抱くような愛らしさを感じてしまったからである。

まだ全貌見えぬアルマゲドンに愛着などないはずであるのだが、、、彼の動物好きの鼻が何かを嗅ぎ分けたのだった。

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