ミスティリオ登山
ミスティリオに着いた火神達は東西に別れて素材集めに勤しむことになる。
火神、裟伽羅、ウロボロスが向かった西側
そこは氷に覆われた大地である。
中央には普通の砂利道が頂上に続いており物質系の魔物以外の生命体は存在しない。
植物や昆虫すらも排除されているのだ。
俺たちは中央に伸びた砂利道を避けて西側中心部を目指す。
氷の大地になっているミスティリオ西側は麓に近いほど弱い魔物が多くそれこそエンカウントしても逃げ出す始末である。
氷結スライムや氷蜥蜴などが麓にいる。
中腹付近には目的の氷の魔獣が存在する。
正式な名称は氷の大熊。
その巨体は5メートルで深青色の体躯を持ち、鍛え上げられた肉体から放たれる爪による切り裂き攻撃は音速を超える。
音速を超えたボクサーの右フックにも似た攻撃は爪が切り裂いた空気を巻き込み暴風を起こすのだそうだ。
基本的な魔物ランクはBランクなのだが個体によっては最高ランクのSと伝わる。
魔物のランクはギルドや冒険者が適当に決めているのでFやらEと言った下等な魔物は評価がバラつく。
しかしランクCから上はある一定以上の能力を持つことで判断される。
例えば飛行や地中に潜る地形有利なタイプはランクC。
得意属性が有り他の属性に関しても耐性がある魔物はランクB。
地形や属性、斬撃、魔法など無効を2つ以上持ち手練のパーティーで挑まなければ倒せない魔物はAランク指定している。
Sランク以上に指定される魔物は未知な能力の保持や、空間支配、時空支配など特異な体質を持つことや1つの個体が町を滅ぼした経緯があるなど他のランクとは一線を画している。
しかしその上限は定められておらず町を滅ぼす規模の魔物も大陸を滅ぼす魔物も一緒くたにされる。
氷の大熊は大昔ミスティリオ周辺にあった大都市ダイタロスをたった1匹の個体が深夜に暴れ住民全てを食べると言う痛ましい災禍を起こしたのだ。
ダイタロス全ての人を食べ尽くした氷の大熊は満腹になるとミスティリオへ戻ったが、人を食べる事に味をしめてしまった。
人の味に飢えた氷の大熊は下界に降り麓の集落を襲うがたまたまそこに居合わせた勇者御一行に討伐されてしまうのだった。
まるで大正4年に起こった《三毛別羆事件》の様であった。
それはかつて日本で起こった痛ましい事件。
たった1頭の羆が集落を襲い続け数名の死者を出した。
種類としては羆の亜種になり蝦夷羆。
その体躯は3mを超体重400キロ程あったそうだ。
昔の言い伝えでは死んだフリをすれば興味を示さないと伝わっていた熊だが、好物のひとつに生き物の内蔵がある。
死んだフリをして興味を示さなくなれば儲けものだろうが、内蔵を狙われれば無防備な所を生きたまま食い殺される。
熊とは日本に置ける生態系ではトップに降臨する動物。
しかしこの世界では龍や死霊と言った現世には存在しない異形の魔物もいるのだ。
羆程度ならばランクEほどである。
そして氷の大熊はランクB~S。
実際の実力の程は背中に浮かび上がるとされる白色の星印が増えることで判別できる。
ランクBは星3個以下、ランクAは星6個以下、
それ以上の個体はSランクに指定されている。
氷の大熊の毛皮はAランク以上からが高品質であるのだが、テントに使う素材ならばBランクでも良い。
火神達は手当り次第倒し最低10体の毛皮を剥ぎ取る必要がある。
俺たちは氷結スライムや氷蜥蜴を倒しつつミスティリオの中腹に到着した。
「さぁ、、、ここからが正念場だ!行こう!山頂目指して!」
火神は本来の目的を忘れミスティリオ登頂を目指してしまっていた。
本来の目的よりも冒険心の方がさきにたってしまっていた。
素材を集めつつズンズンと山頂へ向かう火神一行であった。
中々先に進まない、、、
申し訳ありません、、、




