沙羯羅の末路
ラファエルの指輪が破壊された事で発生した爆発による光線の影響で全員の意識が途絶える事になる。
『あははははははは!やった!やったぞ?我は大天使ラファエルなどでは無いのだ!ふはははは!忌まわしき古代の術士が我の事を封印しよって、、、だがそれは今日で終わりである!この世を混沌の世に変えてやる!』
何だか指輪の魔人のような者に騙されてしまったようだった。
彼の正体は、、、、《沙羯羅》裟伽羅に似ているが似ても似つかわぬ者である。
彼は八部衆の一角。彼は頭から腰まで蛇が巻きついていた。
かつて彼も龍王と呼ばれた者でもある。
しかし彼は裟伽羅とは違い八大龍王にはなれず放浪の旅にでる。
そしてひょんな事から術士との戦いに敗れ封印されてしまったのだ。
そんな彼からしたら龍王難陀は因縁の相手なのである。
『貴様、、、難陀だな?まずは貴様から消してくれるわ!唸れ!《邪龍雷鳴波》』
沙羯羅は自らの口から雷鳴を伴う中国で言う《氣》の様な物を高速で吐き出して来た。
しかし、、、自らの邪龍とか言ってるのだから最早八大龍王になれる訳ないのである。
そもそも八大龍王とは神に使える存在であり、邪龍など以ての外である。
沙羯羅は知ってか知らずか邪龍に堕ちたらしい。
難陀は若干不憫にも思えたが確実に身から出た錆である。
そして邪龍の攻撃の一切は難陀の前には無意味であった。
彼は幻獣種の加護と火神こと火之夜藝速男神の加護を持つ者。
炎に特化した加護の様に見えるが加護者の耐性をそのまま引き継ぐシステムなのだ。
その結果難陀は各種属性攻撃無効であり、無効効果を解除するか、直接内部から当てない限りは無効なのである。
内部からの攻撃が有効であるのには理由がある。
耐性や無効効果とはその体に与えられるものではなく、そのものを護る障壁の様なものである。
しかし上位互換である雷吸収になると話は変わってくる。
雷のエネルギーをそのまま自分のエネルギーに変えてしまう為に無効どころか有効であるにも関わらずダメージを与えることが出来ないのだ。
この場合は内部からの攻撃であったとしてもダメージを負うことは無い。
「沙羯羅よ。そなたには我は倒せぬよ。しかし龍王を騙した罪は重い。貴様には紛うことなき確実な《死》を与えてやろう。」
『く、くそ、、、こうなれば逃げるが勝ちよ!』
沙羯羅は部が悪くなり、一目散に逃げようとしたが時すでに遅しである。
難陀の八方位結界に閉じ込められていた。
そして八方位に立つ八属性のミニドラゴンが中心で暴れ狂う沙羯羅に向け指先から八色の光線が中心に向けグルグルと《かごめかごめ》を歌いながら編み込んでいく。
それはかつて沙羯羅が封印された術式に酷似していたのだが、全く異なるものである。
最終的には豆以下のサイズまで縛り上げ難陀が食べる予定である。
強制的な能力吸収の手段。
これこそが《死の八方結界陣》である。
中では沙羯羅が断末魔をあげているようだが結界外に漏れることは無い。
彼は難陀を騙したことを後悔しながらその命を終えようとしていた。
かごめかごめが歌い終わり《死の八方結界陣》が完成し、沙羯羅が外に出る。
最早彼には飛ぶ能力すら使えない。
仮に使えたとしても蚊以下の飛行力しか残されていない。
『な、な、な、、、難陀様、、、どうか命だけは、、、この沙羯羅にご慈悲を、、、』
「ふん!我を騙し討ちしようとしたこと笑止千万である。そして我は神ではない故、貴様のような邪な者への慈悲など無いのだ。苦しみ我の中でチカラとして生きながらえよ!」
『いやあああああああああああ、、、、死にたくない、、、死にたくない、、、いやぁああああああああ!』
「五月蝿い羽虫よ。このまま滅ぼしてやろうか?ふんっ!」
難陀は龍闘気を纏い拳に力を入れる。
『や、、やめ、、、やめて、、、、』
沙羯羅は懇願を繰り返すが今更惨め過ぎるのだ。
そろそろ覚悟を決めてもらいたいところである。
『難陀様、、、分かりました。私は貴方様の力の1部となりましょう。私の力の全てを差し上げますので命だけは助けて頂けませんか、、、?』
図々しくも提案を始める沙羯羅。
「ふん!貴様のような下衆の話す事など聞くに足らん!今すぐ取り込んでくれるわ!」
難陀はそう言うと沙羯羅を龍闘気で強化した手で高速で捕まえると口の中に放り込む。
『うわあああああぁぁぁぁ、、、、殺生なぁぁぁぁ、、、』
ブチッ、、、ブチブチ、、、ゴリゴリ、、ゴリゴリ、、、ン、、、ゴックン、、、、
沙羯羅は噛み潰され咀嚼され飲み込まれる。
まるでイナダを食べるかの如くであった。
そして難陀は能力を獲得する。
・・・能力獲得・・・
邪龍の雷、雷吸収、雷速飛行、超電磁波、磁界操作、磁場転移陣
この能力はオロチ丸には使えないが主従関係にある火神は使用可能となる。
こうしてバトルロワイヤルは完全に終了し優勝賞金を受け取り彼は晴れてこの会場を《完全出禁》になるのだった。
まぁこの珍事が原因で数ヶ月の間は闘技場が使われることは無いのだが。
この先トンドラの闘技場に来ることの無い難陀は知る由もない。




