ギャンブラーオロチ丸
火神達と別れたオロチ丸はトンドラの賭博場に居た。
ギャンブル依存症なのか、、、と疑いたくなるレベルだが本来はそうでは無かった。
どうもこの街の賭博場は胡散臭い。
別に以前セイトの城下町コームで有り金を全てスった言い訳ではない。
それはトンドラの賭博場の噂話を聞いたからである。
どうやらここの賭博場、、、いやカジノには景品があるとの事。
そしてその景品の中に信じ難い品があるのだ。
龍族の秘宝《龍眼玉》である。
龍眼玉は正しく宝玉。
その輝きたるや数キロ先をも照らすと言われる逸品である。
この龍眼玉は現世でも存在した。
しかも八岐大蛇の所有物であった。
彼女の強さの根源と言ってもおかしくない品であり、逆に言えば当時の素戔嗚尊が寝首を搔き《龍眼玉》とのリンクを切断しなければあの時負けることは無かったのだ。
この街に来た時にその噂を耳にした時に心踊ったのだ。
そう、、、また強くなれると。
龍眼玉は数百万匹のドラゴンの核で造られたと伝わっている。
ドラゴンの核は深紅。
龍眼玉もおどろおどろしい程深い色合いの深紅である。
中心部が薄ら翠色が入っているのも特徴でまるで龍の目玉のような輝きなのだ。
美術品としても価値があり惚れ惚れするほどに美しい銀細工が施されている為に人間にとっても高価な価格で取引されていた。
オロチ丸は何がなんでも龍眼玉が欲しかったのだ。
しかしそんな簡単に龍眼玉が手に入る訳は無いのである。
最強種たるドラゴンを数百万匹の核を使うなど、、、途方もない苦行である。
それをおいそれと景品にするなど気が触れているのではないのか?と疑いたくなるレベルなのだ
オロチ丸は半信半疑のままカジノで《すろっと》たるものをぐるぐる回すことになる。
この後オロチ丸はカジノに来たことを後悔するのだが、、、時すでに遅しであった。
『こい!!7来いよ!、、、、ああ、、、』
20枚あった金貨はみるみる減っていきあと13枚になっていた。
現世換算すると悲しくなるため割合するが高級車が買える額である。
『くそぉ、、、なんでだよぉ、、、センスが無いのか、、、?龍眼玉欲しいよぉ、、、』
愚痴がついつい口から溢れ出す。
まるでパチンコ依存症である。
玉が欲しい、、、玉が欲しい、、、とオロチ丸は何だか卑猥な言葉をブツブツ言っていた。
するとどこからともなくおじいさんに声をかけられた。
『ほっほっほ。その打ち方じゃいつまで経っても当たらんよ?ほぃ。いいかい?見てな?』
おじいさんが《すろっと》を一回やると7 7 BARの順で止めた。
それは目押しと呼ばれる手法らしい。
『惜しかったね?でも7が3つ来ないとダメなんだよ?それくらい僕知ってるもん!』
『ほっほっほ。この《すろっと》はな?いきなり7を3つ揃えることは不可能なんじゃ。さっきの7 7 BARを揃えたことでようやく777を揃えることが出来るのじゃよ?それも知らんとこの台を打つなんてアホのする事じゃよ?ほっほっほ』
オロチ丸はポカーンとしておじいさんの話を聞いていたがアホと呼ばれたことに少しイラッときていた。
『じゃあさ?当ててみてよ!当ててくれたら半分あげるからさ?どう?やってみてくれない?』
『ほっほっほ。良いじゃろう。約束じゃぞ?』
『うん!約束ね!半分あげる!』
おじいさんはニヤリと笑うと《すろっと》を見事に777(スリーセブン)を的中させる。
《すろっと》からは大量のメダルが出てくる。
おじいさんに半分あげたとしても金貨10枚分はあるようだった。
『おじいさん凄いや!本当に当てちゃうなんて、、、ありがとう!じゃあこれ約束のメダルね?』
とオロチ丸がメダルを渡そうとしたのだがおじいさんは、、、ニヤリと笑うとこう言った。
『ほっほっほ。メダルを半分?何を言っておる。《貴様の体を半分貰う》としよう!ほっほっほ』
そう言うとおじいさんは両手を広げオロチ丸に向ける。
『えっ!?ちょっとそんな約束してな、、、』
オロチ丸は異論を唱えたが既におじいさんとの契約の儀は済まされてしまった様だ。
その結果8つあるはずの頭の内4つを失うことになった。
彼女の能力は半減し《八式嵐舞》が使用不可能になってしまうのだった。
またもや彼女は欲にかられ大切な何かを失ってしまったのだった。
その後おじいさんは煙のように消えてしまう、、、後に火神の怒りを買ってしまうのだがそれはまたのお話である。




