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天龍八部衆

上級召喚士となった火神はギルドへと報告に行く義務がある。


彼らはクエストの失敗と職業の変更を申請するために一路クシナダ城城下町のギルドへ。


そこで彼らは目の前に広がるその光景に絶句する。


俺たちが辿り着いたばかりの時。

クシナダ城城下町では魔族と人間の調和が取れていた。


しかし今見ている光景は魔族による《人狩り》であった。


火神達が龍王難陀の塒の洞窟に行っている間に魔王が火神の情報を手に入れ《人狩り》を始めたのだそうだ。


その結果城下町は火の海と化し、捕まった人間は磔の上拷問されている。


ギルドの受付嬢さんも捕まっていた。

最早報告どころの騒ぎじゃないのである。


『リア!こっちに来ちゃだめぇーーー!逃げてぇーーーー!!』


どうやら捕まった彼女の魔族の恋人が救出に乗り出したが衛兵に捕まり連行されそうになっているのだ。


「嫌だ!ルシアナは良い人間だ!俺はルシアナと結婚するんだー!どけぇ!!邪魔だ!!!」


衛兵による武力行使は壮絶を極め、逆らい籠城する家には火矢を放ち、走って逃げ出す者には足を切断し逃げられないようにしている。


まさに地獄絵図であった。


『那岐様!早く助けないと、、、!僕の出来ること、、、これしかない。。。いけ!水の伊吹(ウォーターブレス)


オロチ丸の放ったブレスは消防隊の放水級の様であったが火の海と化した町には余りにも無力。


「僕の出来る最善、、、、!よし、、、これしかない!我が忠実なる僕《龍王難陀》よ!我の敵を討ち滅ぼせ!召喚!!!」


龍王難陀が袋菓子を手に持ち召喚される。

どうやらこの世界にも袋菓子があるらしい。


『那岐様、、、急に呼びすぎですよぉ、、、《念話》でもう少し早めに呼ぶよ?とか言ってください、、、着の身着のままで召喚されるのは龍王として恥ずべき事なので、、、』


「あ。。。ごめん、、、でもね?知らなかったし、、、緊急事態だったから、、、ゴメンね?でもちょっと手伝ってくれないかな?俺とオロチ丸だけじゃ無理そうだから、、、お願い!」


『、、、ふふん、、、まぁいいでしょう。那岐様の願いとあらば我の願いと同じこと。いでよ!水龍ウィタンダラ!火炎を全てお前の水で消し去るが良い!』


難陀が唱えると召喚陣が空中に現れ、そこから10を超える水龍達が出現する。


水龍ウィタンダラ達は円陣を組むと激しい水の渦を起こし街の上空に水を貯め始めた。


『、、、これ、、、水で街が壊滅するのでは、、、?』


オロチ丸は数トンは超える水の量に威力の凄まじさをヒシヒシと感じていた。

そしてそれは明らかな過剰攻撃。


『いけぇ!!!ウィタンダラ!放て!水陣暴嵐(ミストテンペスト)!』


先程までの水を風で巻き込みながら嵐級の暴風が上空に現れる。


ハリケーンや竜巻ならば建物は粉砕してしまっただろうが回るようにミスト状の水が建物を濡らし消火しているのだ。


まるで台風の目に居る様な状況なのである。


『す、凄い、、、』


町に放たれていた炎の塊はみるみる上空に吸い込まれるように消え去った。


『水龍ウィタンダラよ。お前達のお陰である。ご苦労だった!、、、すみません。火神様からも労いの言葉を頂けませんか?』


「あ。うん!分かった!水龍達ありがとう。ご苦労さまー!」


水龍達は言葉は発せない様だったが上空をグルグル回ると、まるで喜んでいるように吼え軽快に帰っていくのだった。


『火神様部下への労いの言葉ありがとうございます。彼らもカグツチ様に使役されて喜んでいるようです。次回も快く召喚に応じて貰える様に良好な関係を築く事も召喚士に必要な事なのです。私のように火神様と直接契約した者ならば無理やりにでも召喚できますが、働く意欲が低いと戦力にならないこともしばしばありますので。』


「うん。召喚獣にも労いの言葉をかけたらいいんだね?了解!これからも宜しくね!でも流石だね。難陀の召喚した水龍強かったね!」


『そうですか?他の龍王達の中には自分よりもっと高位な龍の召喚をする者もいますよ?私は前線に出て敵を駆逐する事を得意とする剣士なのです。』


『あ、、、それ聞いた事あります。龍王難陀は龍剣王と言う二つ名を持つと、、、』


『オロチ丸よ。我はその二つ名を恥じておる。二度と言うでない。さも無くば、、、お前を喰い殺す。』


「まぁまぁ。でも俺その《龍剣王》カッコイイと思うけどなぁ、、、?それにしても、、、他にも龍王がいるの?」


『火神様まで、、、出来れば呼ばないでくださいね?えっと、、、はい。龍王は全部で8名いますよ?それぞれ違う職業の王ばかりです。我等のことを人は《天龍八部衆》と呼んでいます。』


どうやら龍王は8人いるのは間違い無さそうだった。


しかし、難陀も他の者が何をしているのかは知らないらしい。


各職業のトップであり、同じ土俵に居ない他の龍王に興味が無いのである。


「これからどうしよっか、、、?龍王達を探し出し、俺達の仲間にして素戔嗚尊を討伐するか、、、それとも今の戦力で戦いを挑むのか、、、悩むところだな、、、」


『そうですね、、、僕は3人でも出来ると思いますが少し心許ないですよね、、、』


『ふははははは!何を弱気になっておる?我は一騎当万なる龍王難陀だぞ?更にカグツチ様と八岐大蛇がおるのなら過剰戦力とも言えよう。さすがに素戔嗚尊と言えども蟻を潰す程に容易であると断言できるぞ?。』


「うーん、、、そうかぁ、、、じゃあ、、、今晩にでも《夜叉姫》の救出しよっか!」


『『はい!那岐様(カグツチ様)』』


こうして俺たちは今晩、夜叉姫の救出を決行する事に決まったのだった。

次回クシナダ城にて夜叉姫救出戦です

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