難陀と激突
豪華な赤色の扉を開くと、、、
そこには見知った《存在》があった。
《存在》とは、、、
この世界に飛ばされた時に助けてくれた妖精ティンカーだった。
『よぉ?ミナギくんだったかな?もぅこんなステージに来ちゃうとはねぇ?』
「ティンカー、、、だよね?なんでこんな所に?」
『ふふ、、、それはこっちのセリフだよ?ここは龍王難陀の塒だ。何の用があってこんな所に来たんだい?』
ティンカーは闇を含んだ深い笑いを浮かべる。
「難陀討伐のクエストを受託したんだよ。ね?オロチ丸?」
俺は同意を得るためオロチ丸を見ると、、、
オロチ丸は驚愕した目で難陀を見ている。
そこには目が虚ろな《龍王難陀》の姿があったからだろう。
《龍王難陀》は猛々しいオーラを放ちつつも目には覇気が感じられなかった。
「龍王難陀!俺たちはお前を討伐しにやってきた。恨みは無いがかかってこい!」
すると急に元気よく声が聞こえる。
『ぶぁっはっはっはっはーーー』
『人間風情が我と闘うと?龍王たる我とか?、、、くっくっ、、、ぶあっはっはっはっはー!おもろしろやつよ。ティンカーといったか?お前との話は後回しだ俺はコイツと話がある。』
『ちっ、、、』
ティンカーが舌打ちをした。
『くっくっくっ、、、かかって来い!貴様らゴミ以下の人が我を倒すなど1億年早いわ!』
こうして俺達は難陀と闘うこととなった。
難陀の鱗は鋼鉄よりも固く、天之尾羽張でも貫くどころか傷1つ与えることが出来なかった。
そして龍王と呼ばれる難陀の体はそれまでの人サイズの蛇とは打って変わって、3mぐらいの龍に変形する。
どうやら龍と名のつくものは変身を得意とする種族のようだった。
『はっはっは!お前に傷1つ負わされることなくこの世から消し去ってくれるわ!我を冒涜した罪で死ねぇぇぇぇい!』
難陀は龍の尻尾で出来た龍王剣で火神に1秒に3回以上の斬撃を浴びせる。
斬撃を受ける天之尾羽張はどんどんと削れ刃はボロボロになってしまう。
火神はずっと防戦一方であった。
キンキン、、キン、、ビシッ、、、パリィィィン
天之尾羽張は根元から粉々に砕けてしまう。
それを見たオロチ丸は驚愕のあまり口をあんぐりさせていた。
その理由は、、、
砕け散った天之尾羽張の刀身から真っ赤の刀身が現れたからであった。
オロチ丸もどうやら知らなかった様子だ。
「ええ、、、なに?これ?誰の?もしかして、、、?」
『そ、、それは、、、、伝説の、、、火の神《火之夜藝速男神様》の神具では、、、?』
「そ、そうなの?え?難陀知ってるの?」
『、、、我が絶対なる主《カグツチ様》の所有物、、、その神具は使用者を選びカグツチ様以外は何人たりとも使うことが叶わぬ宝剣だぞ?何故貴様風情が、、、?』
「ん~俺も知らなかったんだけどさ?何か俺火の神、火之夜藝速男神の生まれ変わりなんだって。だから見て!こんなの出来るようになったんだよ!」
火神はルンルンで説明する。
『那岐様その技は、、、やめ、、、』
「じゃあ、、、少し抑え気味で、、、《豪炎の暴風》!!!」
時すでに遅しである。
オロチ丸は必死に止めようとしたのだがルンルン気分の火神の耳には届かなかったのだ。
『ぬぁぁぁにぃ!?これは、、、《カグツチ様》の獄炎砲、、、、?しかも、、、カグツチ様よりも火力が高い、、、のか?』
「そうなの?まだまだ強く出来るけど?」
火神は《豪炎の暴風》を全力で起こし始めた。
『『いやいやいやいや!洞窟崩壊するから!!!やめてーーーーー!!』』
「えっ、、、?あ。そっかぁ、、、そうだよね、、、見せたかったんだけど、、、うん。やめるよ、、、」
火神はしょんぼりしていじける。
『はは、、、ねぇ?難陀の主はカグツチなんだよね?じゃあ、、、那岐様が主ってことになるのかな?』
オロチ丸は難陀に疑問を素直にぶつけた。
『ふははは!それは違う。既に主であるカグツチ様は他界されていると認識した。なれば我が火神を認めもう一度契りを交さねば主とはならぬ。まぁ万が一契りを交したとしても、我を召喚する事が可能な上級召喚士のジョブ適正がないとそもそも無理な話だがな!はっはっは!』
火神は少し考えると、、、何かを閃く。
「、、、、、我の忠実なる僕《龍王難陀》よ。我の敵を討ち滅ぼせ!召喚!!!!」
難陀の周囲が青白く光り輝き火神の前に移動する。
「召喚できた!」
『、、、、、、嘘だろ、、、?』
難陀は空いた口が塞がらないようだった。
「もしかしたらだけどさ?カグツチは死なずに俺と共にあるのかもしれないじゃないかな?最近急に魔法が使えたり、上級の剣術が使えたりするんだ。今の召喚だって急に頭に浮かんだ言葉を叫んだだけだから、、、という事で、、、俺は難陀を討伐しない代わりに俺の召喚獣と言うことで良いかな?」
『も、もう、、、どうにでもしてください、、、先程の獄炎砲と言い、、カグツチ様だと認識しましたので、、、はぁ、、、こんな事になるなら妖精に力を貸せば良かったな、、、』
どうやら難陀は諦めたようだ。
それにしてもティンカーはどこへ行ったのだろう。
彼女の目的は達せられなかったが火神の登場で、次なる一手の為先回りし布石を投じる為に逃げ出したのであった。




