ナンダカンダ
難陀が巣食う洞窟は《ナンダカンダ》の洞窟と言うそうだ。
何とも巫山戯た名前である。
しかし《難陀》とは。
難陀龍王と呼ばれ八大竜王の一つで、その第一番に数えられる龍王である。
また千手観世音菩薩の眷属である二十八部衆の一尊にも挙げられていることで有名な《龍王》なのである。
そんな《龍王難陀》をこの世界の勇者が召喚していたと言う。
しかしその勇者は数百年前の人物であり、長年に渡り《龍王難陀》は人前に姿を現していない。
何もしていない《龍王難陀》を討伐することに違和感を感じつつも洞窟内部に足を踏み入れる。
「薄暗くて気味が悪いね、、、蝙蝠とか蛭とかその手の魔物が多そうな雰囲気だね、、、、?」
『そうですね、、、出来ることなら戦いたくない、、、いや食べたくないですね。特に不味いとかは無いと思いますが見た目が、、、』
「はは!八岐大蛇にも苦手な物があるんだね?何だかホッとするね笑」
『もぅ!僕をからかわないで下さいよぉ~』
2人は道中想像通りの魔物に加えワーム系やスライム系、アンデット系の魔物も出たが難なく倒していく。
『うげぇ、、、これも食べないと駄目ですか?ワームは、、、ちょっと、、、』
オロチ丸は涙目で那岐に訴えかける。
「うーん、、、別に食べなくてもいいけど、、、能力獲得出来ないよ?いいの?凄いの手に入るかもよ?」
那岐の言う通りである。
それは通常の魔物を食べても能力は同じであれば能力獲得には至らない。
しかしごく稀にだがレア能力を持った個体がいるのである。
ちなみにワームが持つのは穴掘りだが、レアスキルになると地中移動自在となる。
相手の足元からの攻撃が可能になるのだ。
「那岐さまぁ、、、鬼畜や!鬼や!魔王や!、、、くそぅ、、、でも食べなきゃ、、、くっ、、、もしゃもしゃ、、、おぇぇええ!?ん?何か香ばしい匂いが、、、!?」
それは火神が炎を纏わせた天之尾羽張でワームを突き刺し焼いていたのだ。
「これなら少しは美味しく食べれるんじゃないかな?昔日本でミミズの肉をパティに使って問題になった会社もあったくらいだし、、、」
『ありがとうございます、、、あんまり嬉しくないけど、、、じゃあ折角なのでいただきますね?、、、もしゃもしゃ、、、ゴックン!』
え、、、普通に旨い。これ、、、ハンバーグだわ。
『こ、これなら何とか食べれます、、、ありがとうございます。もしゃもしゃもしゃもしゃ。』
いやいや。オロチ丸、、、めっちゃ喰ってる!まぁ美味しいならそれは喜ばしいことだけどね?
俺は勧められても絶対に食べられないし。
俺たちは洞窟をどんどん進み、地下二階の階段にさしかかった。
地下二階へ降りるとそこには毒の沼が広がり、足を置く場所が限られていた。
そこで俺たちは先程蝙蝠の魔物を倒して獲得した能力《飛行》を使い床から足を浮かせながら移動した。
地下二階から地下三階に降りる階段までくると階段の前に魔物が立っていた。
亀の化け物と言える魔物である。
その名を《ビッグタートル》と言うらしい。
まぁ見た目はただの亀だ。
俺たちは通常攻撃で攻撃してみたのだが剣は弾き、ブレスは防がれた。
どうやら防御にはかなりの自信が伺い痴れた。
しかしそこは八岐大蛇である。
亀ちゃんは丸呑みした。
その姿は残酷そのものであったが美容に良いと言うことで喜んで食べていた。
そんな洞窟探索も佳境を迎える。
地下5階に降りる階段の先に赤色の豪華な扉が見えたのだ。
日本のゲームで例えるなら確実に《ボスの間》である。
俺たちは戦闘に備え回復や装備の整備をする。
しかし今までの的に苦戦しなかったため直ぐに終わってしまった。
それもそのはずである。
ほとんどの魔物を八岐大蛇が丸呑みにするのだから。
そしてその能力は2人で獲得出来る。
火神は何もやってなかった。
かなりの暇人であったと言えよう。
「ここには《難陀》が居ると思う。俺が戦ってその後にオロチ丸が食べるって手筈で良いかい?そろそろ俺にも仕事させて欲しいんだよ。」
オロチ丸は軽く溜息を吐くとこう続けた。
『那岐様は僕が勝てない相手までは温存なのです。それは例え《難陀》相手でもですよ?』
オロチ丸は無い胸をふんすっ!と張って言う。
「ええ、、、いいじゃん?じゃあ、、、ジャンケンね?」
最早子供の遊びかよ!とツッコミたくなるテンションである。
『分かりましたよ、、、そこまで言うならお任せします。でも、、、もしも那岐様が危なくなったら僕が参戦することは認めてくださいますか?』
「う、、、うん。分かったよ。でも《いいよ!》って言うまでダメだからね?」
『はい。分かりました。じゃあ、、、ハグしてください。それも条件のひとつです!』
ええ、、、、、、関係ないような、、、
まぁ戦わせてくれるならお安い御用だ!
「はい!じゃあいくよー?ギューーーー」
『あ、あはぁん、、、、むふ、、、あっ、、、、、そんなに、、、、いやぁ、、、、もぅ、、、もぅ、、、、終わりですか。』
オロチ丸は身悶えしながら喜んでいるようだった。
「じゃあ行くよ?」
『はい!那岐様!』
こうして俺たちは赤色の豪華な扉を開いたのだった。




