カプセル
ここは──何の為に存在のか?ふとそう思わずにはいられなかった。
どんどん地下に潜っていくと巨大なスペースがあった。そして周囲を取り囲むように置かれた高さ3m程からなるカプセルの数々。
薄暗く中身は見えないが時々動く事から何かの生物が中にいることだけは分かった。
「那岐さま~?ここ凄く不気味です……。」
「そうだね。ちょっと気味が悪い感じだ。」
パキ……
!?なにやら不穏な音が聞こえてきた。カプセルが割れる音かも知れない。
パキパキ……ピシッ……
最早疑う余地もない。この中のどれかのカプセルにヒビが入っているようだ。
俺たちは気味悪がりながらも恐る恐るカプセルに近づいて行く。
ガン!
「ひぃぃぃ!」
オロチ丸が悲鳴をあげる。こういう所もオロチ丸の可愛い所の1つだ。八岐大蛇なのに意外と臆病な性格なのだ。
「あはは。大丈夫だよオロチ丸。僕がついてるからね。」
「は、はぃぃー。」
しかし不穏な音は更に続く。
ピキピキ……ガシャンッ!
とうとうどれかのカプセルが割れた様だ。しかし僕たちの近くにあるカプセルじゃない。どれも割れた様子は無いのだ。
ぽたぽた……
「上か!?」
火神が上を見た瞬間まるで全てを覆い尽くす程の闇の炎が僕たちに牙を剥いてきた。
ブォォォォォォオオオオオーーー
咄嗟に避けた俺たちは難を逃れたが近くにあったカプセル達が全て破壊された。
そして中身がカプセルから排出される。カプセルからはとても人間とは許容し難いが人間の造形に近い何かがカプセルの割れた衝撃により床にぶちまけられる。
「ぎゃーーー!グロい!グロいですぅーーー!」
ビクンビクンと痙攣する何かの様子を見たオロチ丸は悲鳴を上げながら火神の元へと走った。
「オロチ丸?これさ……?僕たちに似てないか?」
「ふぇ?」
怯えながらもキョトンとするオロチ丸は床にぶちまけられた何かに目を向けハッキリと凝視する。
「……あ。本当だ。これ……腕が異常に大きいけど那岐様みたいに見えなくもない。これ……は僕?あっちは安倍晴明みたいな……?」
どれもこれも歪な形をしているがどこか似たところがありとても他人の空似とは思えなかった。
「ふふ……ふはははは………流石だな。火神君?ご明察通りだよ。」
上空からフワフワと現れたのは白衣に身を包んだ安倍晴明であった。




