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リズは永遠の眠りについた

 

「よし、ティナさんが力を貸してくれるとのことなので、後方支援の問題は無くなりました。あとは装備の確認です。」


 ティナが力を貸すことによって後方支援の心配をしなくて良くなったリズ達は、装備の確認を始めた。

 いくら学園によって安全が保障されたダンジョンだと言っても普通に迷うし、格上の敵と出くわすこともある。


「何日籠るか分かりませんからね。携帯食、水、あと紙とペン……他に何かいるものは?」


 ……………最悪の場合を常に考えて行動しろ。


 三人は常に親からそう教わってきた。ダンジョンでは何があるのか分からないのだ。慎重に行動しなければならない。

 携帯食は勿論のこと、洞窟型のダンジョンでは水が手に入りにくい。紙とペンを荷物の中に入れるのはマップを作るためだろう。


 これと武器があれば最低限はなんとかなる。そんな道具を荷物入れに入れたが、まだスペースが空いている。あとは何を入れようかと悩んでいたときであった。


『じゃあこれ持っていこー?』


 ティナが何かを差し出す。それは小瓶で、よく目を凝らして見ると、中に透明に近い水色の液体が入っていた。


「こ、これは………?」

「水……ではなさそうですね。」

「体力回復薬によく似ていますけど、色が違いますし……」


 差し出されたよく分からない液体に困惑する三人。そして、思っていた反応と違う……と、逆に困惑するティナ。


「こっ、これはっ!!!」

「まさか……伝説の?実在したのですか!?」

「これ程の物をお持ちとは………さすが、精霊ですね。」


「「「ティナさん凄い」」」


『えへへ〜』


 ……………ティナの想像ではこんな反応が返って来るはずだったのだ。困惑するのも無理はない。


『……………?リーナもリゼもタレイナも、これがなにか分からないの?』


「はい、わかんないです。」

「え、私の名前違いますけど……?」

「私なんか一文字しか掠っていないんですが?」


 リーナはティナの質問に答えたが、名前を間違えられた二人はそれどころではない。精霊は一度間違えたら訂正するまで変えないとローゼから聞いていたため、急いで訂正をする。

 恐らくここにローゼがいたら、「リゼはまだしも、タレイナってなんだよタレイナって……」と内心で大爆笑するだろう。


『これはね、おとといヒュドラー様からもらった、失った霊力が戻ってくる薬。人界には出回ってないから扱いを気をつけなさいって言われたよー?』


「あ?」

「い?」

「う?」

『えー、おー!!』


 瓶の中身を知り、三人は身を固くする。そして、直ぐに混乱状態になった。


「え?あの、御伽噺ででてくるやつじゃないですか、それ?」

「ちょっと待って?何でもないような風に言ってますけど、凄く貴重品じゃないですか!!」

「エリクサー、……………え?それって実在したんですね???」


 え?え?え?、と混乱してしばらくたった頃だろうか三人は突然誰かに声をかけられた。

 一斉にバッと振り向くと、そこにいたのはヨシュア・フォン・アイリーン…………?


「どうしたんだ?君達はダンジョンに入らないのか?」


 リズは吐血した。ついでに鼻血も出た。そして倒れた。


「「リズ様!?」」


 え?待って?私今ヨシュア様に話しかけられた?ちょっと待って?ちょっと待って!??言葉にできない数々の声がリズの脳内を駆け回る。辛うじて「あ」や「う」などの母音は言葉に出来たが、リズにとってそんなことは気にしてられない。


 ダンジョンの入口付近をのたうち回り、リズは永遠(十分)の眠りについた。



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