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私はちゃんと見ていたぞ!!

 

 今、目の前でものすごく面白いことが起きた。


 その光景をしっかりと目に焼き付け、大爆笑……はこんな人目が多い所では出来ないから内心でやっておく。こんなの今後はもう二度と見れないだろうから。


「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさいいぃぃ!!」


 私の目の前には、ペガサスと一人の男子生徒。これだけなら別に珍しくもなんともない。今、ものすごく面白いこと。それは……


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()こと。


 別の言い方では男子生徒がペガサスを押し倒しているとも言える。こんなに面白いことはなかなか起きないだろう。てか、笑っていい?笑っていいよねこんなの。


「………少年よ。謝るのはいいですから、早く退いてくれませんか?」


 さすがに、いつまでも上に乗られていたら嫌なんだろうね。しかし、私はちゃんと見ていたぞ!!他人から見たら全然変わってないだろうペガサスの顔が、ほんの少しだけ赤かったのをな!!


 まあ、そりゃそうか、想定しているはずもない。だってペガサスって最高位の霊だし。そう簡単に人に力で負けるわけがないもんな。そして、ぶっちゃければ今日の朝見た未来ですらこんな未来は反応してなかった。うん。つまり、この男子生徒は結構凄い。中々に凄いぞ。


 えーと、確かハイレーン伯爵家の三男だったっけ?名前は多分ラス・ハイレーン。

 ハイレーン領はリーナ嬢とかダイアナ嬢とかと同じモンスターの出現率とかが結構高いところだったはず。


 ドジっ子?ドジっ子なのかな?それともポンコツキャラ?クローカに聞いてた乙女ゲームの攻略対象ではなかったけど、攻略するとしたら結構面白いんじゃないの?私の予知が全くもって反応しなかった相手だし。


「アダッ!!」


 なんと言うことだろうか。物思いに耽ってたらラス君が椅子の脚につまづいてコケてるじゃないか。そして、こっちに戻って来ようとしてたヒュドラーの胸にダイブ!!


「うぉっ!!」


 チッ。さすがにヒュドラーは押し倒されなかったか。少し体が傾いたものの、がっしりと鍛えてるからかそれ以上は揺るがなかった。目は丸くなってたけども。

 私地味にヒュドラーも倒れることを期待してたんだけども。


「あああ!!!ごめんなさい!!ごめんなさい!!」


 ラス君はヒュドラーの胸に抱かれたまま平謝りしている。ヒュドラーは気にしてなさそうだから、そんなに気にしなくていいのにね。

 でも、良かったなラス君。もしぶつかったのがあの馬鹿三体か問題児組だったら君の命は終わってたかもしれないぞ。

 あの馬鹿三体なら一瞬で殺してくれるかもしれないけど、問題児組はじわじわ嬲りながら仕留めてくるからな。


 うん、やっぱり穏便派を護衛にして良かった。


 この前のネール嬢の時も、もしかしたらお説教じゃなくて、実力行使しようとするだろうからな、あいつら。


 そして、リズ嬢。君はディアマス殿下と兄様以外でも目が幸せになるんだね。良かったね!顔を赤らめてるのがすごく可愛らしいと私は思う。だから女の敵にあったら逃げようね。


 あと、ペガサス。ヒュドラーの方を見て悔しそうに歯ぎしりするのはやめなさい。あと、ヒュドラーの方向に殺気をぶつけるのも辞めようね。

 ピンポイントじゃないせいでヒュドラーと同じ方角にいる子がみんな怖がってるから。


 ………


「ああああああああぁぁぁ…………どうしようどうしようどうしようぅぅ…………」


 時はすぎて夕刻。ラスは王立訓練所で素振りをしながら今日あったことを思い返していた。思い出しただけで顔が暑くなる。

 それもそうだろう。ラスがぶつかってしまったのは最高位の霊二体。

 普通なら絶対にお目にかかることすら出来ない霊をローゼ・フォン・アイリーン、又の名を霊王のレイが学園に滞在中のみ目にすることができる。

 それだけで充分な幸せだというのに、自分みたいなのが触れてしまった。もうダメだ。一生身体洗えない。

 ペガサス様めっちゃ身体柔らかかった。ヒュドラー様めっちゃ腹筋あった。てか、あわよくば霊王様とかも握手してくれないかな〜。とか思っていた。


 そんな下心がバレていたのだろうか。ペガサスに殺気を向けられたときは、本気で怖かった。死ぬかと思ったほどだ。


「オイコラ、ラス!!集中しろ、集中!最高位の八霊のうちの二体に触れられて感激してんのは分かるけども!!」


 てか、めっちゃ羨ましいけども!!と続ける彼は、ラスと同じ派閥に所属しているルークだ。ちなみに、所属しているのはヨシュア・アイリーン率いるアイリーン公爵家の派閥である。


「ヨシュア様にお願いしたら、俺も会わせてくんないかな〜?」


「さすがに無理でしょ。ヨシュア様はローゼ嬢にすごく甘いらしいし。まず、ローゼ嬢にお願いしないと話すことさえ無理じゃない?多分普通に霊にお願いできるのはアストランス公爵家の派閥のメンバーくらいじゃないの?」


「だよなぁ……現実的に考えて難しいか。」


 今日みたいなことはもう二度と起こりそうにない。

 やっぱり体は無理でも手くらいは洗わないでいようかな。ラスは今日の幸運すぎる出来事を二度と忘れないように脳内に保存し、そう決意した。




Q.嬲りながら仕留められるってどんなのですか?

A.思いつく限りのむごいことを並べてみてください。それの数倍は悲惨です。


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