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状況証拠!?状況証拠なの!?

 

 断罪式が終わった翌朝。

 私が霊王としての記憶が覚醒してからの、初めての登園である。


 と言っても、屋敷から学園までは馬車で行くので、何の問題も起きるはずがないんだけど。


 それに、多分ヒュドラーかペガサスのどっちかが、今日一日ずっと私について来るんだろうし。護衛と称した背後霊のように……

 いや、普通に霊界には背後霊もいるんだけど。


 つまり、私に危険なんて一欠片もない。


 正直、兄様の方が心配なんだよなあ……

 私に対しての人質とかにされたらどうしよ。ホントに笑えないし。


 父様は人間のレベルでは滅茶苦茶強いから問題ないだろうけど。あれ?なんで父様宰相やってんだろ。

 母様も父様と結婚する前は領地でバリバリ魔物狩ってたらしいし。ちなみに、そのせいで結婚適齢期に結婚しなかったらしい。


 でもなあ……兄様も結構強い方だと思うけど、暗殺者とか出てきたら笑えない。

 この世界の裏には暗殺者ギルドってのがあって、私も何回か狙われたことがある。そう言えばなんでだろうね?学園に入ってからだけど、他の人の不興を買ったことなんてあんまりないからなあ……


「ローゼ?どうかしたか?」


 不意に、兄様に声を掛けられる。

 完璧に忘れてたけど、そう言えば兄様も馬車に乗ってたんだった。まあ、目の前でうんうん考えてる妹がいたら、そりゃ心配するか。頭の。


「いえ、なんでもありませんお兄様。」


「そうか。一つ聞きたいことがあるんだが、いいか?」


「………霊界に関することでなければ、どうぞ?」


「いや、霊界に関してではない。」


 兄様が私に質問なんて珍しいから、霊界の事だと思ったんだけど違ったらしい。

 じゃあなんでだろう?私は特に兄様が疑問に感じることなんてしてないと思うんだけど。

 あ、もしかしてヒュドラーとペガサスが怖かったのかな?


「昨日、警備兵を蹴散らしたのは、ローゼなのか?」


 …………ん?今なんつったこの人。警備兵を蹴散らしたのが、私?

 え?なんで知ってるの?時が止まっててこの世界の人は誰も分からなかったはずなのに。もしかして状況証拠!?状況証拠なの!?


 さて、これはどうしようか。ヒュドラーがしたことって誤魔化すか?いや、さすがに無理があるかな!?


「さ、さあ?誰でしょうね?

 私じゃなくても魔王がしたって可能性もありますよ?」


「いや、状況から考えてそれはないだろう。

 もし仮に魔王があの場にいたとしても、あの時のようにその場に残っている可能性の方が高い。」


 はい!正解です!!

 多分クローカがあの場に来てたら調子に乗って関係ない人もぶっ飛ばして威張ってたと思いますっ!!


「……………よく私がやったと気づきましたね。」


 しょうがないから認めてやるよっ!これ以上誤魔化せる気がしないし。てか、なんで生きた年数で言えば私の方が歳上なのに歳下のはずの兄様に舌戦で負けるんだろうなあ?


「まあ、見てたからな。」


 は?見てた?…………………ん?おかしいな?クソジジイによって私がぶっ飛ばした直後で時間が止められてるから、誰も見えてないはずだけど。

 結構な人数を一気にぶっ飛ばしたから結構な速度で動いたぞ?私が知る限り、これを兄様が捉えられるわけがない。


 まず、ぶっ飛ばした直後に止められたんだから私がぶっ飛ばしたところを見れるわけがないんだけど?


 まさか、あのクソジジイの介入か?いや、さすがに……


「見てたって…」

「若ー、お嬢ー、学園着いたぞー!」


 ………………兄様に問いただそうとしたけど、アルトに邪魔をされた。アルトはうちの御者で、私が小さな頃からお世話になってる人。

 ちなみに、今年で二十三歳のはずなんだけど、まだ全然子供っぽい。


 なんか、すっきりしないまま学園の門まで歩く。さすがに、門の目の前に止めると馬車がいっぱいになって迷惑になるからね。


 そして、馬車から降りると突き刺さる視線。


 あれ?私なんかしたっけ?

 と思って後ろを見ても、ヒュドラーとペガサスはいない。つまり、目立ってるのは私自身?あと、兄様?


 目立つことになるのは覚悟してたけど、こんなに?なんか珍獣になった気分なんだけど。見てるだけで誰も話しかけて来ようとしないし。


「お待ちしてましたわ、ローゼ様!」


 そんな中、私に話しかけて来てくれたのはリーナ嬢。シャイな子だから、目立つのが苦手なはずなんだけど、視線を恐れずにこっちに向かって来てくれた。


「おはようございます、リーナ様。」


 そんなリーナ嬢にニッコリ。そしてリーナ嬢もニッコリ。兄様はお友達を見つけたのか、離れていった。


「アイリーン公爵家の馬車が見えましたので、待っていましたの。」


 学園の門の前で人を待つって結構人目が集まるんだけど、私を待っててくれたらしい。


 私に近づくことで視線はもっと集まるのに、私に笑顔を向けてくれる。

 うん、リーナ嬢の何の打算もない友達に向けるような笑顔が大好きです。


 だって、打算なんてあったら普通に見抜けちゃうから!!


 一応私霊王だしっ!!


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