今すぐにでも前言撤回したい
そして、ヴァルキリーが扉を蹴破ってヴァンパイアが瀕死になってからてんやわんやあって、とりあえず書類を全部終わらせて翌日。
私とエレンは今魔界にいます。そう、クローカに乙女ゲームの詳細を聞くために!!
「ねー、レイちゃん。私やっぱり帰ってもいい?」
「え?何言ってるんだいエレン。ここまできたらエレンも道連れだよ?」
私一人でクローカの相手なんて務まるわけがないじゃないか。あいつは爺様の神域の三割を破壊したデストロイヤーだぞ?何かあった時に私一人で対処できるわけないじゃないか。
と、超オブラートに包んでエレンに伝えると、エレンは両拳を握った。あ、なんか超嫌な予感がしてきたんだけど。
「安心してレイちゃん。何かあったら私がクロちゃんを仕留めるから!!」
とーってもいい笑顔で言ってくれましたとさ。
やばい。今すぐにでも前言撤回したい。エレンに任せたらクローカだけじゃなくて魔界ごと吹っ飛ぶわ。
ほんとに、エレンの前じゃ相性なんて関係ないんだよな。
一応エレンにとって魔界の空気は毒のはずなのに、全く影響を受けたような様子がないんだけど。
魔界の城下町的な所に入ると、この前のメイドエルフが噴水広場で立っていた。そして私達に気づいたらしく、近寄ってきた。
「お待ちしておりました。クローカ様から話は聞いております。」
それから、クソ遠いクローカの城まで行く。
その間暇だから、魔界の説明をしようと思う。
前に言ったことがあるとおもうけど、魔界は基本的に一日中夜だ。だってクローカが夜行性だからな。そして、ひたすらに人口が少ない。
これには、クローカのプライドの高さが関係してる。あいつ曰く、自分の眷属はそんなにいなくてもいいらしい。
実は、クローカは全て魔物の親玉だとか言われてるけど、それは正しいものではない。あーなんて言えばいいのかな?
一般的に魔物と呼ばれているのは、スライムやゴブリン、オークなどの生物。
これは爺様が人類に試練を与えるために創り出した生物で、もう今はいない世界もある。まあ、クローカの好きな地球とかのゲームで言うところの、雑魚モンスター的なアレ。
ところがどっこい、クローカの配下はクローカ曰く魔族と言って、あいつが創り出した悪魔や邪悪な雰囲気を纏ってる生物だけ。
簡単にいえば、クローカの眷属は魔族、爺様が創り出したのが魔物。
でもあまりにも人間とかが魔物と魔族を間違えてるから、それの区別のために、プライドの高いクローカは魔物のことを魔族の劣等種だとか、ニセモノだとか読んでるんだよな。
つまりは、クローカを倒せば魔物の侵攻を抑えられるとか考えてるところがあるけど、それは全くもって無意味。逆にそんなことしたら私達から報復行為を受けるだけだからしないほうがいいな。
ちょっと話がずれたから戻すけど、とにかく魔界は人口が少ない。範囲的には霊界とそんなに変わらないのに、人口は霊界の百分の一もいない。
それでクローカの城だけど、これは城と言うより宮殿と言ったほうがいいかな?まるでどこかの神域のように丹精な作りの白亜の宮殿。
あ、待って、認めたくないけど霊界の城を魔王城と間違えるのも当たり前な気がしてきた。どう考えても私の城のほうが魔王城に見える。なんか凹むんだけど。
「え?レイちゃん?なんでそんなに落ち込んでるの?」
「エレン……世の中には聞いていいことと聞いてはいけないことがあるんだよ…………」
「え?うん。」
……………おいコラメイドエルフ。こっちを何言ってるんだこの人……見たいな目でみるのはやめなさい。
別にいいし!!あの城は私の趣味に合わせて作ったんだから、魔王城じゃないし!!逆にこれはクローカの趣味に合わせて作ったから魔王城だし!!
いくら私の城が魔王城に見えてもアレが私の所有物である限りあれは霊王の城だし!!
「………さっきから大丈夫レイちゃん。なんか顔がいつもより忙しそうだよ?」
「だからねエレン……世の中には聞いちゃいけないこととそうじゃないことがあるんだよ………」
「………とりあえず、レイちゃんが精神的に疲れてるのはわかった。昨日書類仕事沢山あったらしいから疲れてるんだね?」
違うぞエレン、私は疲れてなんかないぞ。
ただ単に人間が魔王城と私の城を間違えてることに精神的ダメージを受けてるだけだぞ。
そんなことを考えながらただひたすらに歩いてたらやっと宮殿についた。本当に、クソ長い道のりだった。
そして出迎えたのは………
「やっほー!レイ!!エレン!!一昨日ぶりね!!」
ハイテンションのデストロイヤーで金髪碧眼ロリことクローカでした。まあ、あいつの宮殿だし当たり前だけど。
あと、クローカ。急に飛びついて来るんじゃありません。ビックリするでしょうが。てか、メイドエルフはビックリしてるでしょうが。
そしてエレン、少しはビックリしてる様子を見せてくれないかな?なんか私一人だけビビってるみたいで恥ずかしいんだけど。
「じゃ、とりあえず私の部屋にいきましょ!最新の乙女ゲームを一通り揃えて置いたわ!!」
私の切実な思いをスルーして私達を部屋へと案内するクローカ。いったいクローカは娯楽にいくら掛けているのだろうか。
てか、そんな暇あるなら仕事しろや。とか、思ったわけでは決してない。それと、暇があるなら私の仕事手伝って欲しいとかも全く思ってない。
……………ホントだぞ!?




