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……何やってんだあいつら

 

 あの後、今度こそ霊界に戻って今後のことを考えた。


 爺様曰く、サービスで私が警備員さん達をぶっ飛ばしたところで向こうの時間を止めてくれてるらしい。職権乱用ってやつ?


 それにしても、アリア嬢がマジでヒロインだったとは……

 てか、誰だよ世界の狭間に人間を通してるの。今度見つけたらぶん殴ってやる。


 まあ、私に霊界での兄弟がいなかったのは幸いだったかも。エレン達は従兄妹的な存在だし、私を創り出したのは爺様だから両親なんていない。だからローゼとしての兄様も父様と母様も普通に家族として扱える。


 霊界に帰りたくなったら一瞬で帰れるし、私はイレギュラーの調査をすればいいだけ。

 あれ?よくよく考えて見れば破格の対応じゃないか?めっちゃ楽じゃね?懸念事項はあるけど少なくともクローカと比較したらめっちゃ楽じゃね?


 そんなこと考えてたらノックの音が聞こえてきた。そういえば、ここは城だった。私以外がいるのも当たり前か……


 ここで、ざっとこの霊界の説明でもしようと思う。


 まず、この霊界の頂点に立っているのは霊王である私。

 そして、人間で言うところの貴族。それも公爵的な立場の霊が、最上位の八霊。全員不死身というなんとも頼もしいメンバーだ。


 それから、その他の貴族的な立場の霊が、各属性の中級の霊達。この子達も不死身が多いから霊界と他の界域の狭間を守ってもらってる。


 そして、下級の精霊くんや幽霊くん達は城下町に住んでいる感じになっている。霊界って無駄に広いんだけど城下町以外はただただ自然が広がってるだけなんだよね。


 ちなみに、霊界は人界からでも普通に行き来できる。霊力は人類の害になるわけじゃないからね。


 でも、この前みたいに勝手に入られるのはなんかなぁ……

 入国審査でもするか?身元がハッキリしてない人は絶対に入れないとか、そんな感じのやつ。


「レイさまぁ〜?」


 おっと、私としたことがノックのことを忘れていた。

 急いでドアを開けるとドアの前に立っていた子の頭にぶつかったらしい。


「ふえぇぇぇ………酷いですよレイさま。」


 このショタ……ではなく幼い少年はヴァンパイア。闇のエレメンタルを司る最高位の八霊の一柱。随分前に知ったんだけど、ヴァンパイアって人界では魔物に分類されてるんだね。こんなに可愛いのに。こんなに可愛いのに!!これは大事な事だから二回言った。


 別にヴァンパイアは悪いことなんて何もしてないぞ!!冥界とか魔界に連れてこられた血の気の多い奴らの血を吸ってるだけだぞ!!全く、誰だよヴァンパイアが悪いとか文献に書いたやつは!!


「ああ、済まないねヴァンパイア。どうかしたかい?」


「大広間でフェンリルとフェニックスとグリフォンが喧嘩を……」


 ………何やってんだあいつら。

 グリフォンは、八霊の一柱で地のエレメンタルを司っている。フェンリルとフェニックスは知っての通り。


 でも、ほんとに何やってんだろうねあいつら。馬鹿なのかな?いつからそんなに考え無しになった?


「うん、で、今はどうしてる?」


 あ、自分で思ってるより低い声が出てしまったような気がする。だってヴァンパイアの顔がちょっと引きつってるもん。


「ひゅ、ヒュドラーが止めようと間に入ってるんですけど……多分フェンリルに氷漬けにされました……

 俺のことはいいから、レイさまに伝えてこいと死亡フラグを立てて……」


 ひゅ、ひゅ、ヒュドラァァァァ!!!!!

 み、見事に死亡フラグを立ててそれを回収しているっ!!

 こんな一級フラグ回収士を見るのは長い間生きてきているけど久しぶりだ。

 それにしても、どういう案件で喧嘩してんだよ。お菓子争奪戦でもしてんのか?なら私もいれろやコラ。


 とりあえず、ダッシュで大広間に行かないとやばい。誰がやばいってヒュドラーがやばい。ヒュドラーが司るのは水、それが氷漬け。

 自力で抜け出せるわけがないよね!!!


「……死ぬなよヒュドラー!!!」


「僕たちは死にませんけどね……」


 あ、そうだった。

 でも、痛いもんは痛いんだよな……前にエレンに氷漬けにされたことがあったけど、あれはめちゃくちゃ痛い。どれくらい痛いかって言うと、タンスの角に小指と頭を同時にぶつけるくらい痛い。


 でも、この四界で不死ってなかなかに凄いんだよね。

 私はもちろん、エレンやクローカにあの変態も必ずや死ぬのに。あ、ちなみに私も何回か死んだことがある。


 だってしょうがないじゃないか。エレンの攻撃だぞ?クローカより脳筋を極めてるエレンの全力の攻撃だぞ?普通死ぬわ。


 でも、エレンの攻撃じゃなかったら、そのまま死んで復活!ってことにはならない。

 前にも話したけど、魔法とか霊法には相性があって、


冥法<霊法<天法<魔法<冥法


 つまり、私とエレンの相性はすこぶる悪い。自分にとって悪い相性と戦う時は普通に生き返れるけど、多分冥法でエレンと同じくらいの攻撃されたら普通に死ぬ。


 だからクローカはあの変態をぶっ飛ばすときは、一応気を遣ってるんだよね。殺さないように。


 おっと、大広間についた。

 とりあえず、勢いよく扉を押したけど、開かなかった。……あれ?おかしいな?なんで開かないの?取り敢えず、二回目いってみよう。


 …………開かない。


 三回目、結構強めに押した。


 ……………それでも開かない


 四回目、なんかイラついたから扉を蹴破って中に入った。穴空いたけど知らない。必要経費だと思おう。


 ヴァンパイアが後ろで「これは押すじゃなくて引く扉ですよぉ……」とか言ってるような気がするけど私は知らな……


「うぉ!?」


 い。

 それより、なんか物騒なものが飛んできたぞ?氷柱とか、ファイアーボールとか、巨大な岩石とか。色々と。


 もちろん犯人は分かってる。


「お前ら、歯ァ食いしばれ?」


 私はニッコリと笑ってそう言った。もちろん、拳を握って。


 ちょっと待ってろよヒュドラー……!!今氷漬けから開放してやるからな!!!


冥界の死神くん「へっくしゅん!!……風邪かな?」


尚、この死神くんは後に三十発ほど腹パンされ、そして、降格処分をくらうのでした。


面白い、続きが読みたいと思って頂けたら下の評価ポイントを押してくれると有難いです。


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