私が霊王とか聞いてない
フェンリルのエレメンタルを雪から氷に変更しました
「誰だお前は!!」
殿下が叫ぶ、地味に五月蝿い。みろよディアマス殿下は驚きながらもちゃんと安全な所に退避してるぞ。ちょっとは見習え!
って、私は結構冷静なんだけど他の人達はそうではないらしい。でもなーなんかなー…敵じゃない気がするんだよねこのイケメン。だから私は結構冷静で無表情でいられるんだけど、他の人は違うの?てか、このイケメンの目的はなんだ?殿下とアリア嬢か?なら殿下はアリア嬢連れて逃げろよ。
「ああ、失礼。私の名はフェンリル。氷のエレメンタルを司る霊だ。」
え?マジで?このイケメン兄さんフェンリルだったの?てか、フェンリルって実在したのか。握手してくんないかな…あれ?でもフェンリルって狼の姿してるんじゃなかったっけ?え?偽物?
………
フェンリルとは、氷のエレメンタルを司る最高位の霊の一つだ。並大抵の人間では倒す所か戦いにすらならない。
ディアマス・レティアンは考える。何故、こんな所に霊がいるのか。そして、何故こんなに敵意を向けてきているのか。何か、霊に関わる事で、不味いことでもしたのだろうか。まず、何かしたとしてどうすれば全員殺されずに済むだろうか。
ディアマスの考えに返答があるとするのなら、答えは簡単だ。
何もしなければいい。フェンリルの機嫌を損ねず、ただ冷静に飽きられるのを待つといい。フェンリルはこの世界にとっては恐ろしい存在だが、別に戯れに人間を殺すような鬼畜ではない。だが、それは人間が何もしていなかった場合である。
人間側は致命的な失態をしていた。このままではここにいるある人物以外全員殺されるかもしれないだろう。
本当に今日は最悪な日だ…そう思いながら役に立たない弟の代わりに彼はフェンリルと交渉する為、自ら危険地帯に向かった。
………
結局このイケメンフェンリル(仮)は何をしに来たのだろうか。霊って基本人間に干渉しないんじゃなかったっけ?あれ?それは魔物だったか?フェンリルは霊の中でも霊王の次くらいに偉いやつだよね?なんで下位の霊とかに来させなかったんだろう。今日なんか重要な事でもあった?
「それはどうもフェンリル殿、私はディアマス・レティアン。先程の愚弟の非礼、私が代わって謝罪する。」
ディアマス殿下が頭下げてるんだけどなんで?え?てか、なんでディアマス殿下がこんな危険地帯(仮)にいるの?教えて兄様ー。って感じの視線を兄様に送ったんだけど、スルーされた。こんな超絶美女を無視するとは…なかなかにやりよる。
「謝罪?何故君が私に謝罪する必要があるんだい?謝る必要があるのは君の弟とアリア・マオリーヴだろう?それも、謝るのは私にではない。」
だよね、ディアマス殿下悪くないよね。だって何もしてないもん。でも、なんでさっき大声を浴びせた殿下だけではなくてアリア嬢にも謝罪させるのかが分からん。アリア嬢はなんかしたっけ?私に有りもしない罪を擦りつけただけだぞ?私はぶん殴りたいけど。このイケメンフェンリルは何かあるのか?
「では、誰に?」
ディアマス殿下が多分みんなが思ってるだろう疑問を代弁してくれた。あ、アリア嬢は怯えたように殿下の後ろにいるからみんなではないかも。
「我が主であり世界の至宝である、霊王様に対してだよ。」
え?霊王、誰やねん。
多分みんな思ったと思う。だってアリア嬢でさえ目を見開いて驚いてるもん。てか、何?霊王様って御伽噺くらいでしか聞いた事ないのよ?え?存在してるの?仮に存在したとして、殿下とアリア嬢が霊王様に何かしたの?
「霊王…だと?」
殿下がありえない…みたいな顔して呟いたんだけど。うん、私も思う。そして、なんかイケメン兄さんが殿下に殺意向けはじめた。
「霊王様に対して、お前は敬意も払えないのか?霊王…等と呼び捨てするなど、霊界では極刑に値するぞ。」
ここが人界で良かったな。と、兄さんが続ける。
とりあえず、一つ突っ込ませて。霊界怖っ!!
……なんか色々とややこしくなってきたからまとめよう。
婚約破棄を言い渡された→反論→アリア嬢逆ギレ→イケメン兄さん乱入→ディアマス殿下が出てくる→霊王様に対して不敬をしたから謝れ→敬称使わなかっただけで極刑の霊界怖い
……以上!!
「…フェンリル殿。人界にきた目的を知りたいのだが、よろしいだろうか。」
と、うちの兄上がイケメン兄さんに聞いた。
おお!流石次期宰相。父様の血を引いてるだけあって根性あるね!え、私?ディアマス殿下が出てきた時に邪魔にならないように端に避けたけど。
べ、別に?イケメン兄さんが本当にフェンリルならもし仮に敵意があったとしたときに直ぐに逃げれるよう目立たないようにしたとかじゃないんだからね!私、逃げ足はすっごい速いんだからね!
うん、でも兄様はナイスな質問だ!私もめっちゃ気になる!だって今このイケメン兄さんが殿下に殺意を向けてるのって殿下が霊王様?に、不敬なことをしたからでしょ?つまり、それをする前よりも早くにここに来てたなら、何か目的があるんじゃないの?
「…秘密だな。」
って、秘密なんかーい!!なんだよ!折角気になってたのに!!
「…っと思ったけどやっぱ教えてあげよう。イマイチ自分がどんな過ちを犯したか分かってないのがいるからな。」
…結局教えるのかよ!ガッカリした私が馬鹿らしいじゃないか!てか、分かってないのは殿下なの?それともアリア嬢?
「霊王様の生まれ変わりの、ある令嬢を霊界にお迎えしようと思ってね。いやー…人間が精霊との契約をするのはだいたい十六歳のこの時期。霊王様が自分より格下の精霊と契約を結ぶなんて絶対にあってはならないことなのでね。間に合って良かった良かった。」
ふむ。つまり、霊王様の生まれ変わりが一年生の女の子だってことね。アリア嬢は他の令嬢とかにもちょっかい出してたからそれで不敬ってことね。
「で、そろそろ霊王様をお連れしたいんだけど。もういいかい?」
うん。多分霊王様の生まれ変わりさんは相当焦ってるんだろうな。可哀想に。ってか、霊王様って結局誰なの?って考えてたらイケメン兄さんがこっちに歩いて来たんだけど。ああ、私の隣にいるレミア嬢が霊王様なのね。なんか顔青いし。うわぁー…頑張れレミア嬢。
「貴女こそが、我が主である霊王様です。」
あれ?私はレミア嬢じゃないぞ?なのになんで兄さんは私に跪いてんの?え?もしかしてと思って自分を指さしてみたけど頷かれました。
……霊王様が私なんて、聞いてない。
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