しょうがない、ここはもうアレを呼ぶしかない
あの後、私は王城から帰ってきて、霊界に戻った。
……はずなんだけど、この状況は一体なんだろうか。
目の前にあるのは繊細でとても美しいレリーフの壁。柱も一つ一つ凝っていて、これを作るのには相当時間がかかるだろう。
辺りは一面真っ白で神聖かつ清廉な空気が漂っている。
そう、こんな神聖な場所は一つしか知らない。
「…あんのクソジジイ!!」
ここは、クソジジイこと始祖神である爺様の神域だった。
あいつ、私の霊界への転移ゲートを無理矢理捻じ曲げて神域に繋げやがった。…死ねばいいのに。
この腹いせにこの無駄にでかい壁と柱をぶち壊してやろうかな。どうせ後で元に戻るんだし。
そう思って握り拳を作っていざ殴ろうとした時と同時に
「おやめくださいレイさまぁぁぁぁ!?!??!」
ドガァァァン
……あ。
「ちょっと!?何が起こったの!?ってレイ様!?」
私の殴りをくらったのと今飛び込んできたのは神使という爺様の使いで、この神界から人界に爺様が干渉するための方法なんだけど、その中でもこの二人は結構な上位に入る。
つまり、これはやばい。
どれくらいやばいかって言うと、ヒューズが女の敵じゃ無くなるくらいやばい。
……かくなる上は
「逃げる!!」
「え?ちょっ!レイ様ぁぁぁぁ!!!」
神使が何か言ってるけど知らない!とりあえず、爺様が来る前に逃げる!
私の逃走ルートはレリーフの壁の場所から出て、神界の外へ外へと出ていくルートだ。
爺様は自分の部屋から全く出ないし、出たとしても私達が普段使ってる円卓の間にしか出ない。
よって、私の目的地に爺様が出ることはない!絶対に!
私の目的地は神界に何故かある庭園。流石に神界だけあって地上にはない花が多い。
まだ小さな神使は大抵ここで過ごすけど、今はちょうどお昼時で誰もいない。
「さて、爺様が諦めるまでここでゆっくりしてますかね。」
「うんうん。大人しく儂に捕まって反省文を書こうな孫?」
………ぎゃぁぁぁぁぁあああぁぁぁ!!!!!!!
「や、や、や、野生の爺様が現れたぁぁぁぁ!!!!!!」
「大人しく儂に捕まれ孫ぉぉぉぉ!!!!」
やばいやばいやばい!!!
ここで爺様に捕まったら反省文を400文字の原稿用紙10枚を書かされる!!いや、でもそれはクローカの場合だから今回はもっと多いかも!!
しょうがない、ここはもうアレを呼ぶしかない。
「エレン助けてクソジジイに襲われる!!!」
そう叫ぶと土煙を上げながら走ってくる人影が一つ。言わずもがなエレンだ。相変わらず速い。
走ってきたエレンはそのままこっちに突っ込んできて
「お爺ちゃん、レイちゃんをいじめちゃだめ。」
…爺様をぶん殴った。そして、爺様の部屋まで飛ばした。
比喩ではない、まじで壁に穴が空いた。
「……なんか、ごめん。」
ほんとに、すまん、爺様。
………
「エレンもレイも、そんな面白いことをしてたなら私も仲間に入れなさいよ!!」
そういったのは魔王であるクローカ。
見た目は青い瞳にサラサラのプラチナブロンドを低い所で二つ結びにしたロリ…ではなく少女。ゴスロリを着ていて、動かなければ丹精な人形に見える。見た目だけならこいつは魔王に見えない。
「まあまあ、クローカ。レイちゃん達も悪気はなかったんだし…」
「うるさい黙れ雑魚。」
クローカに早速悪態をつかれてしょげてるのはヒューズ。
ちなみにこいつは茶髪で緑色の瞳。無駄に顔が整ってる女の敵だから全世界の可愛い女の子はこいつに会ったら逃げてくれ。
そして、一番特筆すべき容姿なのはエレン。
エレンは銀髪にアメジストみたいな瞳の儚げな美女。胸もでかいし背も高い。クローカが好きな世界の漫画に出てきた、ナンパ?ってやつに速攻引っかかりそうな容姿。なんていうか、人間離れした美貌ってこんな感じのを言うんだろうね。こいつ人間じゃないけど。
「レイとエレンは後で反省文提出じゃからな。」
「えー…」
「「やだ。」」
誰が反省文なんて書くもんか、私は絶対に書かないぞ。
「お爺ちゃん、反省文云々は後でやるにして、今回の"イレギュラー"を教えて?」
「うむ、それじゃあ第127万回、イレギュラー対策本部会議を始めるぞい!」
「いえーい。」
「どんどんぱふぱふー。」
Q.なんで前までエレン達のこと天王とか魔王とか言ってたのに今回は名前なの?
A.「ぜ、前回名前出てたからもう言っても大丈夫かなー…と。」
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