女の敵には気をつけようね
今日は断罪式の日で、朝から沢山の貴族の人達が王城に出入りしていた。その原因を作ったのは、他ならぬ私である。
うん、だって第二王子と令嬢を国外追放って結構なインパクトだよね。ただでさえ、公爵令嬢が婚約破棄されてて、それだけでも話題になるのにその公爵令嬢は霊王だった。
うわぁ…自分でも思うけど、えげつないな。自業自得とはいえ、霊王に無礼を働いて国外追放なんて。
噂好きの夫人達からの視線をバンバン感じつつ、私は断罪の場である大広間に入ると、そこにいたのは魔法の檻に入った殿下とアリア嬢。
ここで、私が普段使う霊法と魔法の説明をしようと思う。
まずは、私が普段使っている霊法。これは、主に自然の源である霊力を溶媒にし使う法式で、前にも言ったと思うけど冥法に強い。これは、この世界の人なら普通に使える。
次に、魔法は魔物を作ったり色々する為の力。詳しくは知らないけど、影や夜になると力が強くなるらしい。これは、天法に強くて冥法に弱い。この世界には使える人が少なくて、国に二、三人いればいい方だと思う。
ちなみに、この世界に天法を使う人はいない。つまり、この世界で天王は無双できるね。対応できる魔法使いが少ないから。
まあ、そんな訳で、結構あの魔法は強力だから、殿下達を閉じ込めておくにはちょうどいいでしょ。ディアマス殿下とか兄様とかはちょっと霊法が強いからあれじゃダメかもだけど。
「ローゼ様!」
「リズ様!」
私の名前を呼び、こちらに優雅に歩いてくる令嬢。その令嬢こそ、私と同じようにディアマス殿下を尊敬しているリズ嬢である。リズ嬢の場合、兄様も尊敬しているらしいけど。
リズ嬢はアストランス公爵家の令嬢で、私が学園に入る前から王立図書館やお茶会などで知り合った数少ない気心知れたお友達だ。
その他、伯爵令嬢のリーナ嬢や子爵令嬢のダイアナ嬢など学園で知り合った友達などがリズ嬢の後ろにいる。
「あっ!…大変申し訳ありませんわ霊王様。」
…なんてこった。リズ嬢達が私の事を霊王として扱ってくるなんて。うん、ごめんね。フェンリルの登場時がすっごく怖かったんだね。後でぶん殴っとくからいつも通り接して、マジでお願いだから。
「いえ、霊王としてではなく、いつも通りお友達として接してくださいませ?」
そう言うと、リズ嬢達の顔がぱあっと明るくなった。うん、みんな可愛いね。女の敵には気をつけようね。
「あらあら…ローゼ様ではありませんか!」
そう言いながら私に近づいてくるのは、ネール・ロイヤード公爵令嬢。おい、やめろ!私に近づくんじゃない!君は私の事を第二王子の婚約者だからって相当目の敵にしてただろ!私が霊王だからパイプが欲しいってか!?
「お久しぶりですわねネール様。何かローゼ様に御用ですか?」
顔を微妙に顰めさせていた私を案じてくれたのか、リズ嬢が私の庇いながらネール嬢に声をかけた。あ、やばい、ディアマス殿下と兄様の次に好き。
「リズ様には話しかけていませんことよ。自分の身の程を知りなさい。」
「あら、ローゼ様が不愉快そうなお顔をしていたのにお気づきになりませんでしたか?だとしたら、とても残念な視界を持っていますのね。」
お可哀相に。と、リズ嬢がネール嬢を嘲笑いながら呟く。…女の子同士の争いって怖いよね。私も女だけど。
「ローゼ様、公爵閣下がお呼びです。」
王城の使用人さんが顔を青ざめさせながら私に告げる。うん、顔が青いのはリズ嬢達のバチバチした雰囲気が怖いからだね、わかるよその気持ち。私も怖い。
「お父様…」
「来たか、ローゼ。」
国王陛下の近くに掛けている父様に声をかけるとホッとしたような、心配されているかのような眼差しを向けられる。
だけど、それも一瞬で、次の瞬間には厳格な宰相の顔になってる。
「言いたいことは、分かるな?」
いえ、全然分かんないです。私にはあの変態みたいに人の心を読む能力なんてないです。
とりあえず、何も答えないのも不味いと思ったので、
「徹底的に叩き潰させて頂きますわ。」
自分の願望を口に出すと、父様は満足した顔で頷いた。え?これで良かったの?母様もグッってやってるけど、その後ろで陛下達が顔青くしてるよ?いいの?
「我がアイリーン公爵家を貶した者には、それなりの覚悟をしてもらわなければな。」
父様が微笑しながら告げる。
うん、父様、怖いです。
今回からしばらく更新ペースが落ちます。
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