第40話:衝撃波と瞬間移動と必中剣技
第40話
フィリップは身体中が血だらけで、呼吸も荒くなっていた。
「どうしました?はぁ、はぁ、僕を倒すのでは無いのですか…?」
フィリップは片膝を付きながら話していた。
「君がどうしてそんな状況なのか、聞く前にこれだけは答えて貰おう。涼子くんはどこにいるのかい?」
立花は少し苛立ちを露にした。
「あのお嬢さんですか、そういえばそんなゲームでしたね…。すみません…、誰かに、どこかに連れて行かれちゃいました。はぁはぁ…まあ、居場所は追跡出来なくもないですが…」
フィリップはゆっくり答える。
「嘘では無さそうだねぇ。じゃあ、居場所をすぐに教えて貰おう。なぜ涼子くんが再び拐われたのか見当もつかないが…」
立花はフィリップを睨みながら話した。
「そうですね。僕を倒したら教えてあげますよ。急がれた方がいいですよ。お嬢さんは時間制限が来たらお亡くなりになりますから。この解毒薬を飲ませなくてはね」
フィリップはニコリと笑った。
「貴様、その体でまともに戦えるはずないだろ!」
レオンは激昂する。
「はぁはぁ、馬鹿にしないでください。あなた方ごときに…このくらいの怪我で…」
フィリップはそう言った途端に姿を消す。
「どこに消えた…、ぐはっ」
レオンは死角からの衝撃波をまともに受ける。
「ちっここか!」
剣をフィリップ目掛けて振るもむなしく空振りしてしまう。
「ここですわね!」
ニーナも攻撃するが、全く当たる気配がない。
連続した瞬間移動と、ノーモーションからの衝撃波の怒濤の攻撃に、レオンもニーナも成す術もなくダメージが蓄積される。
「はぁはぁ、全然、話になりませんね。その程度の力だと結局あのお嬢さんは助けられませんよ」
フィリップは攻撃の手を緩めなかった。
「やれやれ、怪我人だからって甘くみてたねぇ。ニーナくん、あれを使おう」
立花は、衝撃波から身を守りながらニーナに指示を出す。
「あれをですか?まだ練習不足ではありませんの?」
ニーナは不安な表情だ。
「確かにそうだけど、勝つにはこれしか方法がないんだよ」
立花はそう言いながらニーナに近づく。
「わかりましたわ。お願いいたします」
ニーナはそう言うと、立花から【眼鏡】を受け取る。
「準備出来ましたわ」
【眼鏡】をかけて剣を構えてニーナは言った。
「ははは、何をしても、無駄なことですよ」
ニーナの背後から、フィリップは現れて攻撃しようとする。
「それはどうかわかりませんわ!必中剣技!」
ニーナはフィリップが出現したその瞬間に一撃を与える。
「ぐはっ…はぁはぁ、まぐれ当たりですか」
フィリップは少し驚きながらも再び姿を消す。
「完全に死角です。今度こそ終わりです」
フィリップが勝利を確信して攻撃に移る。
「今度はここですわね!」
またもや、フィリップが出る完璧なタイミングでニーナの剣は斬撃を加える。
「まぐれ当たりでは無いのですか?そんな馬鹿な…」
フィリップは初めて焦りの表情を見せる。
「これなら何とか行けますわ、先生」
ニーナは立花の方を向いてガッツポーズをした。
「どうやら、はぁはぁ、僕も切り札を出さなくてはならない‥ようですね」
フィリップは覚悟を決めた表情をしていた。
勝負の決着の刻は近い。
約束の時間まで後、3時間15分
第41話に続く




