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第37話:赤色の液体と混乱と2度目の上陸

第37話






「この儂が負けて、負けてなるものか…」

倒れたサイラスは意識が朦朧としながら、ブツブツと呪文を唱える。


「まだ、何かされてますの?これ以上は命に関わりますわ。お止めになられたほうが…」

ニーナは、収めた剣をを構え直そうとする。


「エレ…ラーン…バキロ…。これで、もう、終わ、グフっ」

サイラスは動かなくなった。


「終わりましたの?」

ニーナが立花達を確認しようとしたとき、部屋全体から血のような赤色の液体が吹き出した。


「なっ何ですのこれは?」

ニーナは逃げ場を探したが、成す術もなく飲み込まれてしまった。


「まずいですわ…意識が…」

ニーナは意識が遠ざかり、気を失った。 




「…ナくん、ニーナくん、大丈夫かね」

どれくらい時間が経っただろうか、立花の声でニーナは目を覚ました。


「先生?良かった無事でしたの?」

ニーナは安心した表情になった。


「何とかねぇ、君のおかげだよ」

立花は、ニヤリと笑っていた。


「ニーナくんも船酔いで倒れるとは、私を馬鹿に出来ないじゃないか。私は君の薬で助かったがね」

立花はニーナの肩を叩いて、どこかに行ってしまった。


「えっ、先生?」

何が起こったのかニーナは理解出来なかった。


「あっニーナさん心配しましたよ。立花さんはただの船酔いと言ってましたが本当ですか?」

涼子の元気そうな姿を見てニーナは驚愕する。


「涼子さん、どうしてここに居ますの?フィリップから逃げ出せましたの?」

状況の把握が出来ずにただ、混乱するばかりだった。


「ニーナさん、珍しく寝惚けてますか?ちょっとあたしにはわからなかったです。あははは」

涼子は見慣れた笑顔を見せた。


「大丈夫そうだったので良かったです。それでは、あたしはちょっと船内を探検してきます」

涼子は敬礼のポーズをとって、走り去った。


よく見るとここは船のデッキのようだ。


「戻っている?サンポルトに上陸する前に…」

ニーナは何とか状況を把握しようとした。


デッキから船内に戻ると、立花は椅子に座って本を読んでいた。


「先生は、気付いていない。私だけが恐らく…。この事を先生に言うべきか…」

迷ったが、自分だけではどうしようもないので立花に相談することにした。


「先生、少し話を聞いてくださいまし」

ニーナは立花に今までの経緯を説明した。


「なるほどねぇ。それは厄介なことになってるなあ」

立花は興味深そうな顔をしていた。


「先生、面白がっていませんか?」

ニーナは憮然とした顔をした。


「まあ、流石の私も未来人と話したことは無かったからねぇ。しかし、恐らく君がいるここは現実ではない。君の意識が作り出した世界だよ」

立花は、髭を触りながら説明する。


「どういうことですの?」

ニーナはさっぱり意味がわからなかった。


「そのサイラスという男が時空間を歪める程の力を持っているとは思えないんだ。もし、それほどの力を使えるなら、そもそも相討ち狙いなどしないだろうからね」

立花はいつものような余裕の表情で説明を続ける。


「という訳で、私も涼子くんも偽物ということになるねぇ。君を助けることが出来るのは、本物の私かレオンくんだろう。でも、彼らは動けない状況にある。つまり、ニーナくん自身が自力でこの精神世界からの脱出しないと、厳しい状況になりそうだねぇ」

立花の説明は終わったが雲を掴むような話だった。


「とりあえず、このままサンポルトに行くことになる。私はニーナくんがこの状況を打破出来ると信じているよ」

立花はそう言ったが、ニーナが途方に暮れている間に船はサンポルトに着いてしまった。


ニーナは、2度目の上陸をすることになった。


約束の時間まで後、??時間??分


第38話に続く


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