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第29話:魔力の波動と緋色の筒とデス・ポイント

第29話






「何故、こんなところにいらっしゃいますの?お兄様‥」

ニーナは驚き足が震える。

ラボンガマ魔神の亡骸の横にレオンが立っている。


「お前のところのペテン師に用事が出来ただけだ。あの死神が連れていた娘はお前たちの連れだろ?」

レオンは相変わらずの態度であった。


「お兄様、涼子様とフィリップを見ましたの!?」

ニーナはビックリして震えが止まった。


「仕事で奴を探しているんだ。お前たちの知っている情報を聞かせて貰うぞ。ぐっ‥」

レオンはよく見ると、手足を怪我しているようだった。


「まさか、お兄様はフィリップと既に‥」

ニーナは心配そうに話しかけた。


「ちっ、少し油断しただけだ。お前も知ってるだろ?この程度の怪我はすぐに治る。お前たちは死神の居場所を知っているのか?」

レオンの不機嫌そうに、吐き捨てる。


「‥‥‥!?そうですわね。先生は既にフィリップの居場所を特定しているところですわ」

ニーナは少し考えて、レオンの目を見て答える。


「そうか‥それでは僕をあのペテン師のところに連れて行け」

レオンはニーナに同行することとなった。




その頃立花は‥‥


「この写真には、涼子くんが触れた魔力の波動が残っている‥この波動を記憶させる」


写真を緋色に光る筒の中に入れる。


「やはり、この写真に込められた魔力はかなり強いみたいだねぇ。これなら何とかなりそうだ」

立花はホッとした顔をしていた。


「後は涼子くんの魔痕から出ている微弱な波動を見つけられるかどうか‥」

緋色の筒を糸に吊るすと、筒が北東側に僅かに振れだした。


「おやおや、結構遠くに居るみたいだねぇ。これはかなり骨が折れそうだ。こういう時は‥」

立花は独り言をブツブツと呟きながら作業を続けていた。



しばらく時間が経った後、立花はラボン地方の地図を片手に計算をしていた。


「この辺りかな、彼の性格を考えると‥怪しいのは‥」

そう呟くと立花は地図に印を付けた。


「おそらく、この場所に潜伏している可能性が高い。しかし、ここは‥」


地図の印の地区は通称【魔界に最も近いデス・ポイント】ラボン地方最大のモンスターの巣だった。



「彼もとことん性格が悪いねぇ、特定されるところまでは計算済みか」

立花は苦笑いする。


「さあて、私とニーナくんだけで果たしてここまで行けるかどうか‥」

立花は腕を組みながら考え込んだ。


その時、立花の部屋のドアが開いた。


「先生、言われたものを買ってきましたわ。あと‥」


ニーナが何か言おうとする前に、


「何だ、汚い部屋だな。もう少しマシなところは無かったのか?」

レオンが文句を言いながら入ってくる。


「おやおや、珍しいお客さんだねぇ」

立花は少し微笑みながら迎えた。


「死神の居場所を教えて貰うぞ。言っておくが、隠してもいい事は無いと思え」

レオンは高圧的に追求する。


「なるほどねぇ、君もフィリップにやられてしまったということか」

立花は髭を触りながら頷いた。


「余計なことはいい。教えるのか教えないのかはっきりするんだ」

レオンは大きな声を出している。


「もちろん、教えましょう。ただし条件を聞いてもらうよ」

立花はニヤリと笑って答えた。



約束の時間まで後、19時間10分


第30話に続く


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