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イジリがい○○くん  作者: のょび
3/9

イジリ

3話  作業スタッフ 伊藤くん



:早田さーん!昨日の現場最悪でしたよ!もっといい現場回してくださいよ~!


早朝からこんなうるさい朝のスタートだった、、、、、。


:仕方ないんだ。他の人は向こうの監督さんに気に入られちゃって、そっちに

 引っ張られてるんだ。君だけだったんだ。納得してくれよー。


:えぇ~まじすか~!わかりましたよ!次お願いしますね♫


この子は作業スタッフの伊藤くん。この会社のスタッフになってもう三年目になる子だ。

活発で元気のいいスタッフなんだが、口が悪くたまに向こうの監督さんと口ケンカして

クレームが来ることもしばしば。それで、うちの会社はお世話になってる優良会社の方に10年

以上作業スタッフをしているベテランを向かすようにしている。


:今日の現場は確認大丈夫?


:大丈夫ですよ!だからこんな朝早くに会社に来たんじゃないですか。


:うん。そうだね。なら今日もビシッと決めてきてね。


:任せてください!


いつも単純で助かっています。でもホントに伊藤くんと話ししてたら直射日光にあたってる気分だよ。

いやほんと。


:おはようございます。


霧生神子がきました! あぁ、今目があった!何かきそう、、、、、。


:おはようございます!霧生さん!今日もお綺麗ですね!


あ、伊藤くんがいたや。


:あ、おはよう伊藤くん今日も頑張ってね。


:はい!ありがとうございます。今日暇なら一緒に食事でもどうですか?


伊藤くんは神子のことをすごい好んでて、自分でファンとか嫁に欲しいとか、、、、。

でもその時見てしまった。彼女の微妙に引きつった顔を俺は見逃さなかった。


:あ~いえ。今日予定がありまして、また今度で、、、、、。


:わかりました!では、また今度!現場行ってきます!


:は~い。行ってらっしゃい。


笑顔で見送る神子だが、伊藤くんが行ったとわかったら顔はもう鈍より。


:せんぱ~い。なんか今日一日働いた感バリバリですぅ~。


:安心しろ。俺は日焼けしそうだった。


:なんですかそれ~!ふふっ。なんか先輩のギャグおやじクサ~い。


:うるさいなー。そんな軽口叩けるんなら外回りでも行ってくる?


:あ~あ~!何も聞こえな~い!何も聞こえな~い!

 でも先輩と話したら元気回復しました!

 今度から伊藤くんの対応は任せましたよ?


そんなさりげない会話の中で見せる神子の笑顔に少しドキッとさせられてしまった。


:あ、あ~!任せられましたよ。でもそこは社員としてしっかり見守る義務があるから

 神子もしっかり頼むよ。


:は~い!では、仕事戻ります。


自分のデスクに小走りで戻っていく神子を見守りつつ自分のデスクに戻ってる時一本の電話が鳴った


:はい、こちら建NEXT 一課担当 早田です。


:すいませんそちらの会社から来た荷揚げ屋さん※ボード結構割って、仕事にならないんですが。


※ボード⇒石膏ボード。建築現場にて壁材で使われている一般的な材料※


うっそ!朝からクレームとか、、、。まじかよ~まず対応しますか。


:うちのスタッフがすいませんでした。割った材料の金額は当社が負担しますので。

 

:そうね。そちらのえぇ~とあー!伊藤ってやつだね。しっかり教育しといてね。


:はい誠にすいませんでした。はい、はい、ありがとうございます。失礼します。


:先輩どうしました?


気づいたらてくてくと様子を見に来た神子がいた。


:なんだお前仕事はどうしたよ?


:私の担当はみんな出発連絡して、異常なしであとは明日の現場の人選と書類でおわります。


こいつの担当してるスタッフはみんないい子だ。なんでだ?女だからか?可愛いからか?クソ~!

俺も女ならまだ良かったと今後悔してるよ。母さんよなぜ俺は男なんだ、、、、。


:また伊藤くんだよ~。もう朝からきつい~。


:あ、それはお気の毒様。

 元気ないみたいです大丈夫ですか?先輩?

 あ!そうだ!先輩少し目をつむってください。


:え?今そんなこと、、、、、。


:いいから!はやく~!


何なんだ朝からもうテンション下がるな~。そんなことに乗れるテンションでも、、、、

まずめんどくさいから言われるがままに、、、、、、。


もにゅ。


ん?顔になんか柔らかいものが、、、、。


:!!!。ぬぐ~んぐ~!!  ぷは!


:先輩を私の胸で元気づけました!


:な!なにしてんだよ!


いきなりのことに俺は戸惑いを隠しきれなかった。


:何って元気づけようとしただけですよ~。


:それはそれで、ん~~、、、、、、。


:先輩顔真っ赤ですよ~!


:うるさい!お前は仕事に戻れ!


:は~い。でも先輩元気出ましたね。私先輩の落ち込む顔は見たくないので。

 では、頑張ってください!


:ん~~~~、、、、、。


まだ顔が熱い。今日こそはないと思っていたのだが、ここで来るとは思わなかった。

でもあいつもあいつで考えてるなかな?いやいやただ単にイジリたいだけだろ。

でも少しは、、、ちょっとは気、、、晴れたかな?


ふぅ~。


:さぁ~てまずは、あいつの仕事が終わり次第なんて説教するか考えておくかな?


そんなことを考えつつまだ顔に胸のぬくもりが残ってるうちにめんどくさい仕事は

終わらせますかな。


:ただやっぱり会社で大胆なことはやめてほしいな


そんなとこをポツリつぶやく朝のできごと。

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