暗殺少女の苦難は続く
以前、ドSキャラは大好きとか偉そうなことほざいてた癖に、いざ書くとなると、上手く書けなかった。
僕はもうダメかもしれない(白目)
私の名はリリファルカ。
オサカ帝国の凄腕暗殺者として、日々暗躍してきたエリートアサシンだ。
今日もナッラー王国の王女を捕らえよ、という帝王様からの直々の仕事を任されたこの私は、タマッキの森においてナッラー王国の王女を追い詰め……くっ、そこから先の記憶がかなり曖昧だ。
ただ覚えていることと言えば、殺したはずの全身黒づくめの変質者……たしかニンジャとか言うヤツに、催眠作用のあるキノコを無理やり食わされたことぐらい……。
だから、イマイチ状況が分からない。
私は、なにゆえ……。
「暗殺者さん。あなた、今から私の奴隷だから」
なにゆえ、奴隷宣言を受けているのだろうか!
まて、少し落ち着こう。
私は手下であるクローン人間、オサカノオバチャンと共に、簀巻きにされて転がされている。
目の前に立って、凍えるような目付きで私を見つめるのは女である私でさえ見惚れるような銀髪の美女。
私の頬がじんじん痛むのは、彼女が私を起こすために平手打ちをかましたからだろう。
痛みで目覚めた私に、彼女は開口一番に奴隷宣言。
なぜ? ホワイ? いくらなんでも展開が急すぎやしないだろうか。脳内でこうして早口で喋っている間にも、彼女の平手打ちが私の頬をスパンキング!
特に理由も無く頬をぶたれ、私の中を一つの感情が支配した。
(ああァァァー痛気持ちいいィィィィー!)
超絶的な快楽。悦楽。至福。
クセになりそうなくらい、今の平手打ちは気持ちよかった。
……って、違う!
痛みに興奮している場合ではない!
「な、何が奴隷だ! さっさとこの縄を解け! 私を誰だと思っている!」
「誰って、私の奴隷でしょ?」
「そう、私はオサカ帝国のエリート奴隷……違う!」
勢いでノリツッコミしてしまった。
くそう、私はどちらかと言えばギャグキャラポジのつもりなのに!
マゾヒストとして!
「ちょっとあなた、態度がなっていないわね。主人である私に対して、タメ口はおかしいでしょう? 使うとすればまず敬語よね? 道徳的に考えて」
「なんでお前が主人になる事が確定してるんだ! 私はそんなこと、決して同意しないぞ!」
「あなたの意見なんか聞いてないわ。私がそうと決めたのだから、あなたは私の奴隷よ」
「どんな理屈だ!」
「そうやってタメ口きくなら、神様に呪いを掛けてもらうわよ」
「か、神様だと……?」
いったい何のつもりだ。
急に奴隷になれ、などと無茶苦茶なことを言ったと思ったら、今度は神様?
もしかしてコイツ、変な電波でも受信してるのでは?
電波ちゃん的な。
頭の上に、木の芽みたいなのも生えてるし。
……とか思ってたら、その木の芽が動いた。
いや、違う。木の芽じゃない!
5センチくらいの変な生き物が、頭に乗ってる!
「では神様、お願いします」
「トッキョトーキョーキョキャ……失礼したです、トッキョトーキョーキョカキョク!……この呪文言いにくくて仕方ないです」
次の瞬間、私の身体を緑色のオーラが包み込み、身体の中に溶けるようにして消えた。
な、何を……。
「何をしたのですか!」
……あ、あれ?
なんで敬語に?
「絶対服従の呪いと、敬語しか話せなくなる呪いを掛けたです。ごめんなさいです」
「な、なんですかそれ!? 無茶苦茶じゃないですか!」
「ああ、堪らなくいいわね、こういうの。神様のチート能力で人々を無理矢理に従わせる。私、この為だけに巫女をやってるのかもしれない」
「動機が不純過ぎるです……あらゆる意味で巫女として間違ってるです」
「で、首輪なんだけど、今は安物の首輪しか人数分の持ち合わせがないの。しばらくこれで我慢できるかしら?」
……何を言ってんですかね!?
いや、首輪を付ける前提で話が進んでることにまず驚きだけど、それよりも!
首輪の持ち合わせって何ですか!
あなた、いつも首輪を常備してるんですか!?
しかも人数分って!
オバチャンも含めたら30人は居ますけど!?
まさか全員分!?
「安心して、安物とはいえ、ちゃんと人間用の首輪だから」
そこは大した問題じゃない!
いや、実際付けるとしたら問題かもしれないけど、それ以前の話ですよね!
なんですか、絶対服従の奴隷って!?
「ああ、ペット扱いの方が好みかしら?」
好みってなんですか!
どういう解釈したらそういう返答が返ってくるんですか!?
私が言いたいのは、なぜ自分が奴隷宣言を受けてるのか、という話です!
「あなた、さっきから感嘆符使いすぎよ? 読んでて目障りだわ。今すぐやめないと、☆ってするわよ」
あ……ごめんなさい。
というか、☆ってなんですか。
「お星さまにしてあげる、という意味よ」
なにこの人、めちゃくちゃ怖い。
記号で殺人予告するとか初めて見た。
感嘆符あまり使わないでおこう。
「はい、よくできました」
よしよし、と私は頭を撫でられる。
本人は褒めているつもりなのだろうか。
アレか。ラノベ主人公に有りがちな、ナデポというヤツだろうか。
フッ、生憎だが、私はそんじょそこらのハーレムものラノベに出てくるような撫でられる程度で堕ちる安い女では無いぞ。
「よしよーし。いい子ねー」
……いや、違う。
これ多分、ペット扱いしてるんだ。
もう私、人間として見てもらえてないわ。
第一章はオマケも含めて今回で終わりです。
二人の女の子に追いかけられるニンジャってばモテモテですね! さすが主人公!
……で、実は二章から別の忍者ルートの話を進めようかと思ってます。
主人公交代ってのはあんまりウケの良くない展開かと思いますが、物語上たぶん必要なので、やらせてもらいます。
どうしてもニンジャが主人公がいい!
という人が出て来ないように、ニンジャは格好良くないようにしてきましたが……はてさて、二章からの主人公が受け入れられるかどうか。
ご要望とあらば、ニンジャルートでもう少し話を進めるので、感想書いてくれると嬉しいです(感想乞食)